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前治療歴のある再発難治性卵巣がん患者に対するオプジーボ+アバスチン、客観的奏効率28.9%を示すJAMA Oncologyより

  • [公開日]2019.11.11
  • [最終更新日]2020.03.02
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前治療歴のある再発難治性卵巣がん患者が対象の第2相試験
オプジーボ+アバスチン併用療法の有効性安全性を検証
・特にプラチナ系抗がん剤感受性のある患者で良好な結果を示した

2019年10月10日、医学誌『JAMA Oncology』にて前治療歴のある再発難治性卵巣がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;オプジーボ)+ベバシズマブ(商品名アバスチン;アバスチン)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT02873962)の結果がDana-Farber Cancer InstituteのJoyce F. Liu氏らにより公表された。

本試験は、前治療歴のある再発難治性卵巣がん患者(N=38人)に対して2週を1サイクルとしてオプジーボ240mg+アバスチン10mg/kg併用療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間PFS)、安全性などを検証した第2相試験である。

本試験が実施された背景として、PD-L1発現率陽性の卵巣がん患者の予後は不良であることが判っている。しかしながら、過去の臨床試験では再発卵巣がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ、ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ単剤療法の客観的奏効率(ORR)はそれぞれ15%、8.0%を示すように抗腫瘍効果は限定的である。以上の背景より、他の治療歴と抗PD-1抗体薬の併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は64歳(57-68歳)。人種は白人92.1%、アジア人5.3%。進行病期ステージIIIが50.0%、ステージIVが34.2%、ステージIIが7.9%、ステージIが2.6%。

BRCA遺伝子ステータスは変異型5.3%、野生型76.3%、不明18.4%。前治療歴は1レジメンが42.1%、2レジメンが34.2%、3レジメンが23.7%。アバスチン治療歴はあり65.8%、なし34.2%。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は全患者群28.9%(95%信頼区間:15.4%-45.9%)、プラチナ系抗がん剤感受性のある患者群40.0%(95%信頼区間:19.1%-64.0%)、プラチナ系抗がん剤抵抗性のある患者群16.7%(95%信頼区間:3.6%-41.4%)を示した。

副次評価項目である奏効持続期間(DOR)中央値は全患者群6.0ヶ月、プラチナ系抗がん剤感受性のある患者群5.6ヶ月、プラチナ系抗がん剤抵抗性のある患者群12.3ヶ月を示した。また、無増悪生存期間(PFS)中央値は全患者群8.1ヶ月(95%信頼区間:6.3-14.7ヶ月)、プラチナ系抗がん剤感受性のある患者群9.4ヶ月(95%信頼区間:6.7ヶ月-未到達)、プラチナ系抗がん剤抵抗性のある患者群5.3ヶ月(95%信頼区間:3.9ヶ月-未到達)を示した。

一方の安全性として、少なくとも1種類の全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率89.5%、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率23.7%を示した。最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は疲労47.4%、頭痛28.9%、筋肉痛28.9%、血清アミラーゼ値上昇28.9%、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ値上昇26.3%、高血圧26.3%を示した。

以上の第2相試験の結果よりJoyce F. Liu氏らは以下のように結論を述べている。”再発難治性卵巣がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ+アバスチン併用療法は良好な抗腫瘍効果を示し、特にプラチナ系抗がん剤感受性のある患者に対して良好な結果を示しました。以上の結果より、オプジーボ+アバスチン併用療法は再発難治性卵巣がん患者の新しい治療選択肢になり得る可能性が示唆されました。”

Assessment of Combined Nivolumab and Bevacizumab in Relapsed Ovarian Cancer
A Phase 2 Clinical Trial(JAMA Oncol. Published online October 10, 2019. doi:10.1001/jamaoncol.2019.3343)

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