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切除不能転移性膀胱がん患者に対するイミフィンジ、イミフィンジ+トレメリムマブ併用療法、全生存期間を統計学的有意に改善しない

  • [公開日]2020.03.17
  • [最終更新日]2020.03.10
この記事の3つのポイント
・切除不能転移性膀胱がん患者が対象の第3相試験
・イミフィンジ単剤療法、トレメリムマブとの併用療法有効性安全性を比較検証
・標準化学療法と比較して、単剤、併用療法ともに有用性を示せず

2020年3月6日、アストラゼネカのプレスリリースにて切除不能転移性膀胱がん患者に対する抗PD-L1抗体薬であるデュルバルマブ(商品名イミフィンジ;イミフィンジ)単剤療法、イミフィンジ+抗CTLA-4抗体薬であるトレメリムマブ併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のDANUBE試験(NCT02516241)の結果が公表された。

DANUBE試験とは、ファーストライン治療としてシスプラチンベースの化学療法の適格有無に関係のない切除不能転移性膀胱がん患者に対してイミフィンジ単剤療法を投与する群、イミフィンジ+トレメリムマブ併用療法を投与する群、または標準化学療法(シスプラチン+ゲムシタビン、シスプラチン+カルボプラチンなど)を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として標準化学療法に対するPD-L1高発現(PD-L1≥25%)/イミフィンジ単剤群における全生存期間OS)、標準化学療法に対するPD-L1ステータス関係なし/イミフィンジ+トレメリムマブ群における全生存期間(OS)を比較検証したアジアを含む国際多施設共同ランダム化の第3相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である標準化学療法に対するPD-L1高発現/イミフィンジ単剤群における全生存期間(OS)、標準化学療法に対するPD-L1ステータス関係なし/イミフィンジ+トレメリムマブ群における全生存期間(OS)ともに達成できなかった。一方の安全性として、既存の臨床試験で確認されているイミフィンジ、イミフィンジ+トレメリムマブの安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。

本試験のDANUBE試験の結果を受けてアストラゼネカ・オンコロジーR&D部門のJosé Baselga氏は以下のようにコメントを述べている。”膀胱がんはアンメットメディカルニーズの高い疾患になりますが、本試験では抗PD-L1抗体薬イミフィンジ単剤、イミフィンジ+抗CTLA-4抗体薬トレメリムマブ併用療法の有用性を示すことはできませんでした。引き続き、膀胱がんにおける抗PD-L1抗体薬、抗CTLA-4抗体薬の可能性を第3相のNILE試験をはじめ、他の臨床試験で検証していきます。”

参照元:
アストラゼネカ プレスリリース

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