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ミスマッチ修復機構の欠損を有する進行性固形がんに対するdostarlimab単剤療法、客観的奏効率38.7%を示すASCO GI 2021

  • [公開日]2021.02.09
  • [最終更新日]2021.02.08
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ミスマッチ修復機構の欠損(dMMR)進行性固形がん患者が対象の第1相試験
・dostarlimab(ドスターリマブ)単剤療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率38.7%で完全奏功は7.5%を示した

2021年1月15日~17日、オンラインミーティングで開催された2021 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI 2021)にてミスマッチ修復機構の欠損(deficient mismatch repair: 以下dMMR)進行性固形がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるdostarlimab(ドスターリマブ:TSR-042)単剤療法の有効性、安全性を検証した第1相のGARNET試験(NCT02715284)の結果がthe University Pierre et Marie CurieのThierry Andre氏らにより公表された。

GARNET試験とは、ミスマッチ修復機構の欠損(dMMR)進行性固形がん患者(N=106人)に対して3週を1サイクルとしてdostarlimab(TSR-042)500mg単剤療法を4サイクル投与し、その後6週を1サイクルとしてdostarlimab(TSR-042)1000mg単剤療法を病勢進行するまで投与し、評価項目として客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)などを検証した第1相試験である。

144人の患者が本試験に登録され、有効性評価が可能であったミスマッチ修復機構の欠損(dMMR)を有する患者は106人。この106人における固形がんの種類は大腸がん69人、小腸がん37人、胃がん12人、膵がん8人、肝がん4人、卵巣がん2人、副腎皮質2人、その他9人。

有効性評価が可能であったミスマッチ修復機構の欠損(dMMR)を有する106人の結果は下記の通りである。客観的奏効率(ORR)は38.7%(95%信頼区間:29.4~48.6%)を示し、その内完全奏効(CR)は7.5%を示した。

がん種別の客観的奏効率(ORR)は大腸がん36.2%(N=25/69人)、小腸がん43.2%(N=16/37人)、胃がん33.3%(N=4/12人)、膵がん37.5%(N=3/8人)、肝がん0%を示した。客観的奏効率(ORR)を示した患者のうち、93.4%の患者は消化器系がん(N=99人)であった。なお、フォローアップ期間中央値12.4ヶ月時点における奏効持続期間(DOR)中央値は未到達を示した。

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率68.8%を示した。また、重篤な治療関連有害事象(TRAE)発症率は5.5%を示し、治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率は1.8%(N=2人)であった。

以上のGARNET試験の結果よりThierry Andre氏ら「ミスマッチ修復機構の欠損(dMMR)進行性固形がん患者に対する抗PD-1抗体薬dostarlimab(TSR-042)単剤療法は良好で持続的な抗腫瘍効果を示しました。特に、消化器系がんの患者に対して有望な抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。

Safety and efficacy of anti–PD-1 antibody dostarlimab in patients (pts) with mismatch repair-deficient (dMMR) solid cancers: Results from GARNET study.(2021 Gastrointestinal Cancers Symposium,Abstract No:9)

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