・治療歴のあるKRAS G12C遺伝子変異を有する進行性非小細胞肺がん患者が対象の第2相試験
・sotorasib(ソトラシブ)単剤療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率37.1%、病勢コントロール率80.6%を示した
2021年1月28日~31日までオンラインミーティングで開催された第21回世界肺癌学会議(WCLC-IASLC 2020)にて、治療歴のあるKRAS G12C遺伝子変異を有する進行性非小細胞肺がん患者に対するKRAS G12C遺伝子変異阻害薬であるsotorasib(ソトラシブ:AMG510)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のCodeBreaK 100試験(NCT03600883)の結果が公表された。
CodeBreaK 100試験とは、KRAS G12C遺伝子変異を有する進行性非小細胞肺がん患者(N==26人)に対して1日1回sotorasib(AMG510)960mg単剤療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、安全性、副次評価項目として病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)などを検証した多施設共同オープンラベルの第2相試験である。
本試験が開始された背景として、非小細胞肺がんは肺がんの約80~85%を占めており、その内の約66%の患者が初回診断時点で進行性または転移性の非小細胞肺がんである。KRAS G12C遺伝子変異は、非小細胞肺がんの典型的なドライバー遺伝子の1つであり、非小細胞肺がん患者の約12.5%がKRAS G12C遺伝子変異を有しており、高いアンメットニーズがある。以上の背景より、治療歴のあるKRAS G12C遺伝子変異を有する進行性非小細胞肺がん患者に対するKRAS G12C遺伝子変異阻害薬sotorasib(AMG510)単剤療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。
本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は37.1%、副次評価項目である病勢コントロール率(DCR)は80.6%をそれぞれ示した。また、フォローアップ期間中央値12.2ヶ月時点の奏効持続期間(DOR)中央値は10ヶ月、無増悪生存期間(PFS)中央値は6.8ヶ月をそれぞれ示し、この結果は第1相試験にて検証されている内容と一致していた。
病勢コントロールを達成した患者の内、3人が完全奏効(CR)、43人の部分奏効(PR)を認め、奏効達成までの期間(TTR)中央値は1.4ヶ月であった。
一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は19.8%を示し、最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。下痢31.0%、悪心19.0%、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加15.1%、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの増加15.1%。なお、 治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率は7.1%であった。
以上のCodeBreaK 100試験の結果より、アムジェン社Executive vice president of Research and DevelopmentであるDavid M. Reese氏は「ファーストライン治療後に病勢進行した進行性非小細胞肺がん患者さんの予後は非常に不良であり、治療選択肢も限られております。KRAS遺伝子変異を標的にした治療薬の開発はここ40年探求されており、第2相のCodeBreaK 100試験にてsotorasib(AMG510)が持続的で深い抗腫瘍効果を示したことを大変喜ばしく思います。この結果はsotorasib(AMG510)がこれらの患者を対象とした治療薬として最初の承認を得られる可能性があることを示唆するものであることを誇りに思います」と述べている。
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