・抗PD-1抗体薬治療歴のある進行性転移性悪性黒色腫患者が対象の第2相試験
・イミフィンジ+セララセルチブ併用療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率31.0%、病勢コントロール率63.3%を示した
2021年10月25日、医学誌『Annals of Oncology』にて抗PD-1抗体薬治療歴のある進行性転移性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する抗PD-L1抗体薬であるイミフィンジ(一般名:デュルバルマブ、以下イミフィンジ)+経口ATR阻害薬であるCeralasertib(セララセルチブ、AZD6738)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験の結果がSamsung Medical CenterのR. Kim氏らにより公表された。
本試験は、抗PD-1抗体薬治療歴のある進行性転移性悪性黒色腫(メラノーマ)患者(N=30人)に対して4週を1サイクルとしてイミフィンジ1500mg+15~28日目に1日2回Ceralasertib(AZD6738)240mg併用療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)を検証した第2相試験である。なお、抗PD-1抗体薬治療歴の種類としてはキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)が90%、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)が10%で、化学療法を含む前治療歴は最大3レジメンである。
本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は31.0%、病勢コントロール率(DCR)は63.3%を示した。治療期間中央値は8.8ヶ月(区間:3.8~11.7ヶ月)。無増悪生存期間(PFS)中央値は7.1ヶ月(95%信頼区間:3.6~10.6ヶ月)、全生存期間(OS)中央値は14.2ヶ月(95%信頼区間:9.3~19.1ヶ月)を示した。
一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。貧血が76.7%、食欲不振が66.7%、血小板減少症が63.3%、悪心が56.7%だった。グレード3以上の血液関連治療関連有害事象(TRAE)発症率は53.3%を示し、その内訳は貧血が33.3%、血小板減少症が23.4%、好中球減少症が16.7%だった。
以上の第2相試験の結果よりR. Kim氏らは「抗PD-1抗体薬治療歴のある進行性転移性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する抗PD-L1抗体薬イミフィンジ+経口ATR阻害薬Ceralasertib(AZD6738)併用療法は、良好な抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べている。
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