・高腫瘍量濾胞性リンパ腫患者が対象の第2相試験
・一次治療としてのベネクレクスタ+ガザイバ+トレアキシン併用療法の有効性・安全性を検証
・完全寛解率73.2%、2年全生存率94.4%、2年無増悪生存率85.8%を示した
2021年12月11日~13日に開催された、第63回米国血液学会(ASH2021)にて高腫瘍量(High Tumor Burden)濾胞性リンパ腫患者を対象にファーストライン治療としてのBCL-2阻害薬であるベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス、以下ベネクレクスタ)+抗CD20抗体薬であるガザイバ(一般名:オビヌツズマブ、以下ガザイバ)+トレアキシン(一般名:ベンダムスチン、以下トレアキシン)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のPrECOG 0403試験の結果がUniversity of VirginiaのCraig A. Portell氏らにより公表された。
PrECOG 0403試験は、高腫瘍量(High Tumor Burden)濾胞性リンパ腫患者(N=56人)に対するファーストライン治療として、28日を1サイクルとして1~10日目に1日1回ベネクレクスタ800mg+1日目にガザイバ1000mg(1サイクル目は1日目100mg、2日目900mg、8、15日目1000mg)+1、2日目にトレアキシン90mg/m2併用療法を実施し、主要評価項目として完全寛解率(CR)を検証した第2相試験である。
本試験に登録された患者の年齢中央値は62歳(33~79歳)。性別は男性が63%(N=35人)、女性が38%(N=21人)。進行病期はステージIIが4%、ステージIIIが29%、ステージIVが68%。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。
主要評価項目である完全寛解率(CR)は73.2%(N=41/56人、95%信頼区間:59.7-84.2%)を示した。フォローアップ期間中央値20.9ヵ月時点における副次評価項目である2年全生存率(OS)は94.4%(95%信頼区間:82.4-98.3%)、2年無増悪生存率(PFS)は85.8%(95%信頼区間:68.8-93.9%)を示した。
一方の安全性として、20%以上の患者で確認された全グレードの有害事象(AE)発症率は、吐き気が82.1%、疲労が60.7%、嘔吐が46.4%、下痢が42.9%、血小板減少症が41.1%、好中球減少症が37.5%、頭痛が28.6%、食欲減退が26.8%、貧血が21.4%であった。グレード3以上の有害事象(AE)発症率は83.9%で、主なグレード3以上の有害事象(AE)は好中球減少症が16.1%、腫瘍崩壊症候群(TLS)が14.3%、血小板減少症が14.3%であった。
以上のPrECOG 0403試験の結果よりCraig A. Portell氏らは「高腫瘍量(High Tumor Burden)濾胞性リンパ腫患者に対するファーストライン治療としてのBCL-2阻害薬ベネクレクスタ+抗CD20抗体薬ガザイバ+トレアキシン併用療法は主要評価項目である完全寛解率(CR)の達成基準値を満たし、無増悪生存期間(PFS)の改善の可能性が示唆されました。一方でグレード3以上の有害事象(AE)が83.9%など安全性において追跡調査を実施する必要があります」と結論を述べている。
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