2018年1月18日、医学誌『Science』にて血中タンパク質レベルとセルフリーDNAの変異より、卵巣・肝臓・胃・膵臓・食道・大腸・肺・乳がんの8種類のがんを検出可能な血液検査であるCancerSEEKの検出力を検証した結果がJohns Hopkins University School of Medicine・Joshua D. Cohen氏らにより公表された。
本試験では、遠隔転移のないステージIからIIIである卵巣・肝臓・胃・膵臓・食道・大腸・肺・乳がん患者(N=1005人)を対象に、16の遺伝子突然変異、8種類の血中たんぱく質の放出をCancerSEEKにより検出している。
本試験の結果、8種類のがん全体での検出感度陽性率中央値は70%を示し、検出感度の最も高い卵巣がんでは98%、検出感度の最も低い乳がんでは33%を示した。また、検出感度はがんのステージが進行するに伴い上昇し、ステージIでは43%、ステージIIでは73%、ステージIIIでは78%を示した。なお、83%の患者において発症部位を特定することにも成功している。
上記結果は、卵巣・肝臓・胃・膵臓・食道がんの5つのがん種でスクリーニング検査のエビデンスが確立していない現状を踏まえると、CancerSEEKの検出感度の高さが伺える。
また、検出特異度は全体で99%以上を示し、健常者(N=812人)を対象にしCancerSEEKを実施した結果、陽性と診断された健常者は7名のみであった。
以上の結果より、Joshua D. Cohen氏らは以下のように結論を述べている。”アメリカ合衆国におけるがんの死亡率60%以上を占める8種のがんにおいてCancerSEEKが示した検出感度の高さは、生存率向上に大きく寄与することでしょう。CancerSEEKをがんスクリーニング検査として日常的に使用するためには、大腸内視鏡検査のような現在のスクリーニング検査と同等またはそれ以下の費用、つまり500ドル以下くらいの費用で実施できるようにコストを抑える必要があります。”
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