・難治性進行性大腸がん患者が対象の第2相試験
・スチバーガ単剤療法の低用量開始治療の有効性・安全性を検証
・標準用量群と比べ、グレード3/4の治療関連有害事象発症率は変わらなかった
2019年7月3~6日までスペイン・バルセロナで開催されたthe ESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer 2019(WCGC2019)にて難治性進行性大腸がん患者に対するマルチキナーゼ阻害薬であるレゴラフェニブ(商品名スチバーガ;以下スチバーガ)単剤療法の低用量開始治療の有効性、安全性を比較検証した第2相のREARRANGE試験(NCT02835924)の結果がVall d’Hebron Institute of OncologyのG Argiles氏らにより公表された。
REARRANGE試験とは、難治性進行性大腸がん患者(N=299人)に対して4週を1サイクルとした1サイクル目を通常用量である1日1回160mgスチバーガ単剤療法を3週間投与し1週間休薬する群(標準用量群N=100人)、または低用量である1日1回120mgスチバーガ単剤療法を3週間投与し1週間休薬する群(低用量群N=98人)、または1日1回160mgスチバーガ単剤療法を1週間投与し1週間休薬する群(間欠投与群N=99人)に1対1対1対の割合で無作為に振り分け、主要評価項目としてグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)発症率、副次評価項目として全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、病勢コントロール率(DCR)などを比較検証した第2相試験である。
なお、主要評価項目の達成基準としてグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)発症率が標準用量群に比べて低用量群、間欠投与群で20%以上減少することを基準としている。
本試験の結果、主要評価項目であるグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は標準用量群60%に対して低用量群54%、間欠投与群55%を示し、主要評価項目を達成しなかった。しかしながら、倦怠感、筋無力症、蛋白尿などのグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は標準用量群に比べて低用量群、間欠投与群で減少した。
そして、1サイクル終了後に標準の用法用量へ変更できた患者は低用量群で45%、間欠投与群で64%を示した。また、3サイクル目を開始できた患者は標準用量群39%、低用量群43%、間欠投与群45%を示した。
一方の有効性として、副次評価項目である全生存期間(OS)中央値は標準用量群7.4ヶ月に対して低用量群8.6ヶ月、間欠投与群7.1ヶ月を示し、3群間に有意な差は確認されなかった。また、無増悪生存期間(PFS)中央値は標準用量群1.9ヶ月に対して低用量群2.0ヶ月、間欠投与群2.0ヶ月を示し、3群間に有意な差は確認されなかった。
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