※本情報は一般に公開されている治験・臨床試験情報を引用・抜粋しております
目次
治験名
FLT3変異陽性の再発または難治性の急性骨髄性白血病(AML)患者に対してASP2215と救援化学療法の有効性を比較検証する治験
治験の概要
本治験は、一次治療後に再発または治療抵抗性を示したFLT3変異陽性の急性骨髄性白血病(AML)患者に対して、救援化学療法またはASP2215を投与し、全生存期間(OS)を比較検証するオープンラベル多施設共同無作為化第Ⅲ相試験である。
治験薬
・ASP2215
・シタラビン(商品名:キロサイド)
・アザシチジン(商品名:ビダーザ)
・ミトキサントロン
・エトポシド
・フルダラビン(商品名:フルダラ)
・イダルビシン(商品名:イダマイシン)
・フィルグラスチム
治験の参加条件
適格基準
・被験者はWHO分類(2008年)による定義で急性骨髄性白血病(AML)、または骨髄異形成症候群(MDS)に続発する二次性急性骨髄性白血病(AML)と医療機関で診断されている
・被験者は急性骨髄性白血病(AML)の一次治療後再発または一次治療に対して抵抗性を示している
・急性骨髄性白血病(AML)の一次治療に対する抵抗性の定義は下記の通りである
-被験者は寛解導入療法により完全寛解(CR)、血液の回復は不十分だが骨髄では完全寛解(CRi)、血小板の回復は不十分だがそれ以外は完全寛解(CRp)を達成していない
-標準化学療法に適応がある被験者はアントラサイクリン系薬剤を含む寛解導入療法による治療を少なくとも1サイクル受けていなければならない
-標準化学療法に適応がない被験者は寛解導入するために最適と考えられる寛解導入療法による治療を少なくとも1サイクル受けていなければならない
・急性骨髄性白血病(AML)の血液学的再発の定義は下記の通りである
-被験者は一次治療で完全寛解(CR)、血液の回復は不十分だが骨髄では完全寛解(CRi)、血小板の回復は不十分だがそれ以外は完全寛解(CRp)を達成した後、血液学的再発をしていなければならない
・被験者は骨髄あるいは全血においてFLT3遺伝子変異が陽性であると中央検査機関による検査結果で診断されている。中央検査機関による検査結果を待つことができないほど疾患の増殖が急速な被験者は、介入治療法完了後に医療機関で実施される検査結果によるものでも治験登録可能である。もしも被験者が下記に定義するFLT3遺伝子変異を有する場合、医療機関での検査結果によるものでも治験登録可能である。
-FLT3遺伝子の遺伝子内縦列重複変異(FLT3-ITD)、FLT3遺伝子のチロシンキナーゼドメイン変異(FLT3-TKD/D835,FLT3-TKD/I836)
・被験者はEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)Performance Status (PS)が2未満である
・被験者は予め予定されていた救援化学療法による適応がある
・被験者は臨床検査で示された下記の基準を満たさなければならない
-アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)値とアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)値が2.5未満である
-ビリルビン値が1.5未満である
-クレアチニン値が1.5未満であり、糸球体濾過量(eGFR)がMDRD簡易式により算出された50ml/分より大きい
・被験者は治験薬の経口投与法に適応がある
・被験者が女性の場合、下記の基準を満たさなければならない
-妊娠可能性がない場合
1.閉経後(薬物療法などをせずに少なくとも1年間月経がない状態である)であることが治験スクリーニング時以前に確認されている
2.少なくとも治験参加1ヶ月前に不妊手術を実施している
-妊娠可能性がある場合
1.被験者は治験参加中、治験薬最終投与日から60日間は妊娠しないことを同意している
2.妊娠尿検査で陰性であることが治験スクリーニング時以前に確認されている
3.もしも異性愛中である女性被験者ならば、治験スクリーニング時、参加中、治験薬最終投与日から60日後までは効果的な避妊を継続的にすることを同意している
・女性被験者は治験スクリーニング時、参加中、治験薬最終投与日から60日後までは授乳を与えないことに同意しなければならない
・女性被験者は治験スクリーニング時、参加中、治験薬最終投与日から60日後までは卵子を提供しないことに同意しなければならない
・男性被験者とそのパートナーで妊娠可能がある女性は治験スクリーニング時、参加中、治験薬最終投与日から120日後までは効果的な避妊を継続的に実施することを同意しなければならない
・男性被験者は治験スクリーニング時、参加中、治験薬最終投与日から120日後までは精子を提供しないことに同意しなければならない
・被験者は本治験参加中に他の治験に参加しないことに同意する
除外基準
・急性前骨髄球性白血病 (APL)と診断されている
・被験者はBCR-ABL遺伝子変異のある慢性骨髄性白血病(CML)である
・被験者は骨髄異形性症候群(MDS)を除く他の悪性腫瘍に対する化学療法による二次性急性骨髄性白血病(AML)である
・被験者は二次もしくはそれ以降目の再発、もしくは難治性のための救援化学療法を既に受けている
・被験者は中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL) と診断されている
・被験者は無病生存期間(DFS)が5年未満である他の悪性腫瘍と診断されている。ただし、非メラノーマ性皮膚がん、上皮内がん、子宮頸部異形成で治療中の被験者は無病生存期間(DFS)に関係なく、最終的な治療が既に完了してる場合は本治験に参加可能である。また、再発または進行の危険性のない前立腺がんの被験者は、ホルモン療法、外科的切除、または放射線療法による治療が完了してる場合は本治験に参加可能である。
・被験者はASP2215または他のFLT3阻害薬の投与歴がある(ただし、一次治療での導入療法、地固め療法、メンテナンス療法におけるソラフェニブ(商品名ネクサバール)とミドスタウリン(商品名Rydapt)の投与歴は除く)
・被験者は播種性血管内凝固症候群(DIC)のような臨床的に意義のある凝固異常を有する
・被験者は本治験薬の投与開始日4週間以内に大きな手術を実施した
・被験者は本治験薬の投与開始日4週間以内に放射線療法を実施した
・治験エントリー開始3ヶ月前の心エコー検査で被験者の左心室駆出率(LVEF)が45%以上でない場合、NYHA(New York Heart Association)分類によりⅢ度、Ⅳ度とされるうっ血性心不全、またはⅢ度、Ⅳ度とされるうっ血性心不全歴がある。
・被験者はシトクロムP450 3A4 (CYP3A4)の発現を強く誘導する治療薬を必要としている
・被験者はFridericia補正法によるQT間隔(QTcF)の延長(> 450 ms)が中央検査機関で確認されている
・被験者は治験スクリーニング時にQT間隔延長症候群を有する
・被験者はカリウム値およびマグネシウム値が正常値の下限値以下である
・被験者はP-糖タンパク質 (P-gp) の発現を強く誘導または阻害する治療薬を必要としている。ただし、被験者の治療に絶対的に不可欠と考えられる治療薬を除く
・被験者はセロトニン5HT1受容体、セロトニン5HT2B受容体、またはシグマ受容体を標的とするする治療薬を必要としている。ただし、被験者の治療に絶対的に不可欠と考えられる治療薬を除く
・被験者は制御不能な感染症を有する
・被験者はヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している
・被験者はB型肝炎、C型肝炎または他の肝障害を有する
・被験者は、治験参加に不適当になり得る状態を有する
・被験者は臨床的に意義のある移植片対宿主病(GVHD)、または移植片対宿主病(GVHD)の治療としてグルココルチコイド療法を受けている
・被験者は下記に定義するFLT3遺伝子変異を有する
-FLT3遺伝子の遺伝子内縦列重複変異(FLT3-ITD)
-FLT3遺伝子のチロシンキナーゼドメイン変異(FLT3-TKD/D835,FLT3-TKD/I836)
治験の実施期間
2015年10月20日から2019年7月
試験公開情報(詳細情報)
ClinicalTrials.gov:NCT02421939(最終更新日:2017年7月25日)
注意
・多くの情報は、出典であるJAPIC-CTIやUMIN-CTRに情報がある場合はそこから、転載しています。これらにない場合は、米国のClinidcaltrials.govからを参照して和訳して掲載しています。
・実施医療機関は明記できませんが、実際の公開情報に明記されている場合があります。
・主な参加条件には記載された基準以外にも多くの基準があります。
・ご不明な点はオンコロにお問い合わせください。真摯に対応します。
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臨床試験(治験)とは
・当サイトは積極的に日本で実施されている臨床試験情報(治験)を紹介していますが、臨床試験は効果や安全性を確認することが主たる目的となる場合が多く、確立されている治療法を示しているものではありません。参加を検討する際には、臨床試験のリスクとベネフィットをよく理解してください。宜しければ、「もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこと」をご参照ください。
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初回作成:山田 創
この記事に利益相反はありません。