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ハーセプチン(トラスツズマブ)

  • [公開日]2017.08.16
  • [最終更新日]2022.07.14

本ページは株式会社インテリムとオンコロで共同で作成しています。

目次

概要

一般名 トラスツズマブ
商品名 ハーセプチン
治験薬コード
一般名英語表記 Trastuzumab
商品名英語表記 HERCEPTIN
種類 分子標的薬
種類 HER2ヒトモノクロナール抗体
投与経路 注射
適応がん種 HER2過剰発現が確認された乳癌、HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌、HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌、がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

特徴

ハーセプチンは抗HER2抗体という分子標的薬の一種です。
悪性度の高い腫瘍細胞に多く発現するHER2という受容体とがん細胞増殖因子が結合するのを阻害し、細胞の増殖を抑える抗腫瘍薬です。

HER2は細胞の増殖シグナルに関与する受容体で、乳がんや胃がんの一部で正常より過剰に発現している場合、がん細胞の増殖が速く、治療に対する反応が乏しいことがわかっていました。

ハーセプチンはHER2受容体に結合し、細胞障害性T細胞という免疫に関わる細胞を呼び寄せて腫瘍細胞を殺すADCCと呼ばれる作用と、抗体が結合することにより補体と呼ばれる物質の力を借りて細胞を殺すCDCと呼ばれる作用によって、HER2を細胞表面に発現している細胞のみを攻撃する薬剤です。

逆に言うと、ハーセプチンはHER2が過剰に発現している場合しか使用することはできません。

2019年2月現在、HER2過剰発現が確認された乳がん、HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃がんに適応があります。

効能・効果

HER2過剰発現が確認された乳癌
HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌
HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌
がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

用法及び用量

HER2過剰発現が確認された乳癌にはA法又はB法を使用する。
HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌には他の抗悪性腫瘍剤との併用でB法を使用する。
HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌にはドセタキセル製剤との併用でB法を使用する。
がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌にはペルツズマブ(遺伝子組換え)との併用でB法を使用する。

A法:通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブ(遺伝子組換え)として初回投与時には4mg/kg(体重)を、2回目以降は2mg/kgを90分以上かけて1週間間隔で点滴静注する。

B法:通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブ(遺伝子組換え)として初回投与時には8mg/kg(体重)を、2回目以降は6mg/kgを90分以上かけて3週間間隔で点滴静注する。

なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。

重大な副作用

心障害 
息苦しい、急激に胸を強く押さえつけられた感じ、胸の痛み、冷や汗が出る場合があります

ショック・アナフィラキシー
皮膚のかゆみ、蕁麻疹、声のかすれ、くしゃみ、のどのかゆみ、目と口唇のまわりの腫れ、息苦しさ、動悸、ほてり、意識の混濁などの症状が現れる場合があります

間質性肺炎、・肺障害
階段を上ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、空咳(からせき)が出る、発熱する場合があります

白血球減少・好中球減少・血小板減少・貧血
あおあざができやすい、歯ぐきや鼻の粘膜からの出血、発熱、のどの痛み、皮膚や粘膜があおじろくみえる、疲労感、動悸(どうき)、息切れ、気分が悪くなりくらっとする、尿が赤い、寒気などの症状が現れる場合があります

肝不全・黄疸肝炎・肝障害
からだがだるくなる、発熱(38℃以上)、皮膚や白目が黄色くなる、食欲がなくなる、吐き気、嘔吐(おうと)、腹痛、発疹、などの症状が現れる場合があります

腎障害
むくみ、高血圧、次郎館、食欲不振、吐き気、頭痛、呼吸が早くなる
けいれん、意識障害、貧血などの症状が現れる場合があります

昏睡・脳血管障害・脳浮腫
手足の麻痺やしびれ、しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難、片方の足の急激な痛みや腫れなどの症状が現れる場合があります

敗血症
体温が38℃以上もしくは36℃未満になり、一分間に90回以上の心拍数
1分間に20回以上の呼吸などの所見が現れる場合があります

腫瘍崩壊症候群
体内の尿酸が増えたり、カリウムなどの電解質バランスが崩れる場合があります

参考リンク

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/4291406D3

https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/pharmacy/pdf/Herceptin.pdf

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ハーセプチン(トラスツズマブ)

  • [公開日]2017.03.13
  • [最終更新日]2017.08.17

本ページは株式会社インテリムとオンコロで共同で作成しています。

概要

一般名 トラスツズマブ
商品名 ハーセプチン
治験薬コード
一般名英語表記 Trastuzumab
商品名英語表記 HERCEPTIN
種類 分子標的薬
種類 HER2抗体
投与経路 注射
適応がん種 ・乳癌
・胃癌

特徴

タグリッソは、EGFRのチロシンキナーゼ部位を阻害することで、がん細胞の増殖を抑えることを目的としたEGFR-TKIとよばれる分子標的治療薬です。
非小細胞肺がんの細胞の表面にはEGFRと呼ばれるタンパク質が数多く発現しています。このEGFRに腫瘍増殖因子と呼ばれる正常細胞を腫瘍細胞のよう変化させ、増殖させるタンパク質が結合し、細胞に増殖する指令(シグナル)を送ります。当初は著効したEGFR-TKIも、次第にその効果がなくなり、多くの場合、治療開始1年から1年半ほどで治療抵抗性耐性)を生じ、病勢が進行してしまうという問題がありました。
その原因がいくつかありますが、ひとつはEGFRにT790Mという遺伝子変異が発現していることがわかっています。
タグリッソは、このT790M変異があるEGFRのチロシンキナーゼ部位を阻害することで、従来のEGFR-TKIで効果が期待できないがん細胞の増殖を抑えることを目的とした新しいタイプのEGFR-TKIです。主な副作用は他のEGFR-TKIと同様に間質性肺炎骨髄抑制肝機能障害などがあります。

効能・効果

・HER2過剰発現が確認された乳癌
・HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌

用法及び用量

HER2過剰発現が確認された乳癌にはA法又はB法を使用する。
HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌に
は他の抗悪性腫瘍剤との併用でB法を使用する。

A法:通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブ(遺伝子組換え)
として初回投与時には4mg/kg(体重)を、2回目以降は2mg/kgを
90分以上かけて1週間間隔で点滴静注する。

B法:通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブ(遺伝子組換え)として初回投与時には8mg/kg(体重)を、2回目以降は6mg/kgを90分以上かけて3週間間隔で点滴静注する。
※初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。

重大な副作用

心障害、心不全、アナフィラキシー、間質性肺炎、肺障害、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血、肝不全、黄疸肝炎、肝障害、腎障害昏睡、脳血管障害、脳浮腫、敗血症

参考リンク

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/4291406D3

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