提供:バイエル薬品株式会社
近年のがん医療の進歩により、がんと長く向き合えるようになりました。治療を続けながら、仕事や家庭での役割も担う患者さんたちが増えてきています。効果のある治療を長く続けるためには、副作用をもうまくマネジメントしていく必要がありますが、副作用には、「見える副作用」と「見えない副作用」があります。
今回は、「見えない副作用」~消化器症状~というテーマでお二人にお話を伺っていきます。
(この対談記録は、副作用マネジメントの啓発を目的としたものです)
小田村美歌:一般社団法人キャンサーペアレンツ・看護師 3年前に乳がんと診断され、手術、術後化学療法を経て現在は、ホルモン療法を行っています。
聞き手 川上祥子:がん情報サイト「オンコロ」 メディカルプランニングマネージャー
― 「見えない副作用」の中の消化器症状としてはどのようなものがありましたか?
西口:吐き気が強く出ました。また、抗がん剤を投与し始めて一年ぐらい経った時に、体重が10kg増えました。ステロイドを毎回投与する影響でないかという判断で、ステロイドの処方量を減らしてもらいました。すると今度は吐き気が増強し、食欲不振、意欲低下が生じしんどかったです。そして、ステロイドの量を戻し、食欲を抑える努力をしました。
小田村:食欲不振がありました。胃のむかつきと味覚障害でご飯が苦痛になりました。食事摂取量が減ることにより消化機能が上手く働かず、排便コントロールがつかないことに悩まされていました。
― 体力維持のためにも食事は大切ですが、ご所属のキャンサーペアレンツの会員の方々は、化学療法中の食事に関して皆さんどんなことをお話しされていますか?
西口:ものが食べられないという話がよく出ます。また、先生によって摂取してもいいもの、いけないものに関する説明に相違があり、何が正しいのか、悩んでいるというのは頻出の話題です。特に生ものに関してはよく話題に上がっています。
― 刺激物に関しても線引きが曖昧だというお話もよく耳にします。迷ったら些細なことと思わず先生に確認することで解消されるかもしれません。お通じでは、どのようなことにご苦労されましたか?
西口:普段の排便頻度は一日一回ですが、抗がん剤を投与すると二、三日出なくなってしまいます。すると便が固くなって痔になることがあるので、処方された下剤を内服するのですが、すると今度は下痢になってしまいます。それに関しては長年の悩みであり、主治医とも話しながら取り組んでいます。
― 下痢がひどいと外出するのを控えてしまうでしょうし、日常生活への影響も大きいですよね。
西口:下痢より特に便秘の時に、いつ便意がくるか心配になります。排便時に負荷をかけないようにウォシュレットがあるトイレを探しますが、見つからないこともあり、常にトイレに流せるウェットティッシュを持ち歩いて対処しています。
― 見えない副作用も日常生活に様々な影響を及ぼしているので、先生も患者さんも工夫しながら上手く付き合っていく必要があるとわかりました。
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見えない副作用をどう伝えるか~患者が求める副作用マネジメントのあるべき姿とは〜
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(2) 医療者から「見えない」副作用を知る【全身症状】
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