■この記事のポイント
・2月1日、厚生労働省は薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を開催して、抗がん剤3種の適応追加を了承。
・BRAF変異有する悪性黒色腫に対するタフィンラー及びメキニストなどが了承。
・薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会にて了承されたことにより、これらの薬剤は来月~再来月に承認される可能性が大きい。
2月1日、厚生労働省は薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を開催して、以下の効能追加を了承しました。
◆ダブラフェニブ(商品名:タフィンラー)
「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果とする新規薬剤として了承
BRAF V600遺伝子の変異型のセリン/スレオニンキナーゼ阻害薬
希少疾病用医薬品
単剤又はトラメチニブと併用
◆トラメチニブ(商品名:メキニスト)
「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果とする新規薬剤として承認
BRAF V600遺伝子変異によるMEK(MEK1、2)阻害薬
希少疾病用医薬品
ダブラフェニブと併用
国内の悪性黒色腫患者は約4000人であり、そのうちBRAF V600遺伝子変異を有する患者は20~30%(800~1,200人)と想定されています。
◆エリブリン(商品名:ハラヴェン)
「悪性軟部腫瘍」の効能・効果追加を了承
チューブリンの重合阻害薬。微小管の伸長を抑制することで細胞周期を停止させる。
希少疾病用医薬品
既存適応は「手術不能又は再発乳がん」
その他、PMDAの審査の段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断された製剤は以下の通りです。
◆ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)
「甲状腺髄様がん」を効能・効果
結果、現在適応である「根治切除不能な分化型甲状腺がん」から「根治切除不能な甲状腺がん」となった。
甲状腺がんの推計患者数は約2万9000人で9割は分化型、髄様がんは全体の5%程度。
◆ニボルマブ(商品名:オプジーボ)
根治切除不能な悪性黒色腫における化学療法未治療患者の適応追加としての、用法用量の追加。
現在3週間間隔(1回2mg/kg)で投与すると定めているが、今回新たに追加するのは2週間間隔(同3mg/kg)投与。
薬事・食品衛生審議会 (薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会)
【薬事・食品衛生審議会とは】
厚生労働省に属する医薬品を承認する過程における審査機関となります。領域ごと一部会と二部会に分かれており、抗腫瘍薬は第二部会にて審議されます。この審議会で了承を得た医薬品等は、1~2カ月程度で厚生労働省より承認されることとなります。よって、まだ正式に承認されているわけではありませんが、近いうちに承認されるであろうことがわかります。
記事:可知 健太