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進行性非小細胞肺がん患者に対するテセントリク+カルボプラチン+アブラキサン併用療法、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に延長する

  • [公開日]2018.03.22
  • [最終更新日]2020.03.18
この記事の3つのポイント
・IMpower131試験はステージ4非小細胞肺がん患者の一次治療としてテセントリク+化学療法併用療法の有効性安全性を検証した第III相試験である
・テセントリク+カルボプラチン+アブラキサン併用療法、カルボプラチン+アブラキサン併用療法よりも主要評価項目である無増悪生存期間PFS)を統計学的有意に延長する
・もう1つの主要評価項目である全生存期間OS)については今回の解析時点で統計学的有意な差は確認されていない

2018年3月20日、進行性非小細胞肺がん患者に対する抗PD-L1抗体薬であるアテゾリズマブ(商品名テセントリク;以下テセントリク)+カルボプラチン+ナブパクリタキセル(商品名アブラキサン;以下アブラキサン)併用療法の有効性を検証した第III相のIMpower131試験(NCT02367794)の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に延長したことをエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社がプレスリリースで公表した。

IMpower131試験とは、前治療歴のないステージIV非小細胞肺がん患者(N=1021人)に対して21日を1サイクルとして1日目にテセントリク1200mg+1日目にカルボプラチン又は1日目にパクリタキセル200mg/m2併用療法を4から6サイクル投与する群(アームA)、21日を1サイクルとして1日目にテセントリク1200mg+カルボプラチン+1日、8日、15日、21日目にアブラキサン100mg/m2併用療法を4から6サイクル投与する群(アームB)、21日を1サイクルとして1日目にカルボプラチン+1日、8日、15日、21日目にアブラキサン100mg/m2併用療法を4から6サイクル投与する群(アームC)に1:1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を比較検証した多施設共同オープンラベルの第III相試験である。

なお、アームA群、アームB群において投与されたテセントリクは4から6サイクル投与後、メンテナンス療法として3週間に1回の投与間隔でテセントリク1200mgを病勢進行又は治療継続が困難になる有害事象(AE)が発症するまで継続投与している。

本試験の結果、主要評価項目である病勢進行又は死亡(PFS)のリスクはアームC群であるカルボプラチン+アブラキサン併用療法よりも、アームB群であるテセントリク+カルボプラチン+アブラキサン併用療法の方で統計学的有意に減少することが証明された。もう1つの主要評価項目である全生存期間(OS)の結果は今回の解析時点で統計学的有意な結果は確認されなかった。

一方の安全性として、テセントリク、その他の化学療法で確認された治療関連有害事象(TRAE)は既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致しており、IMpower131試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。

以上のIMpower131試験の結果より、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社・最高医学責任者兼グローバル開発責任者であるSandra Horning氏は以下のように述べている。”ここ数十年、ステージIV非小細胞肺がん患者さんに対する一次治療の新しい治療選択肢の開発は困難を極めておりました。今回のIMpower131試験の結果を政府当局と話合いを進めると共に、もう1つの主要評価項目である全生存期間(OS)の結果が出ることを楽しみにしております。”

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