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閉経後ホルモン受容体陽性進行性乳がん患者に対するHDAC阻害薬Chidamide+エキセメスタン併用療法が有効欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)

  • [公開日]2018.10.31
  • [最終更新日]2018.10.31
この記事の3つのポイント
・閉経後のホルモン受容体陽性進行性乳がん患者に対する知見
・アロマーゼ阻害薬とHDAC阻害薬Chidamideの併用が有効
無増悪生存期間が約2倍に延長

2018年10月19日~23日までドイツ・ミュンヘンで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)にて閉経後のホルモン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者に対するHDAC((エイチダック)阻害薬であるChidamide+アロマターゼ阻害薬であるエキセメスタン併用療法の有効性を比較検証した第III相試験の結果が公表された。

本試験はホルモン療法後に病勢進行した閉経後のホルモン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者(N=365人)に対して1週に2回Chidamide 30mg+1日1回エキセメスタン25mg併用療法を投与する群、またはプラセボ+1日1回エキセメスタン25mg併用療法を投与する群に2対1の割合で無作為に振り分け、無増悪生存期間(PFS)などを比較検証した第III相試験である。

本試験の結果、無増悪生存期間(PFS)中央値はChidamide群7.4ヶ月に対してプラセボ群3.8ヶ月、Chidamide群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを24.5%減少(HR:0.755, 95% 信頼区間:0.582–0.978, P=0.0336)した。

一方の安全性として、重篤な有害事象(SAE)発症率はChidamide群20.9%(N=51人)に対してプラセボ群5.8%(N=7人)を示した。また、有害事象(AE)の内訳として好中球数減少がChidamide群50.8%に対してプラセボ群2.5%、血小板数減少がChidamide群27.5%に対してプラセボ群2.5%、リンパ球数減少がChidamide群18.8%に対してプラセボ群2.5%。なお、Chidamide群において治療関連死亡を発症した患者は確認されなかった。

以上の第III相試験の結果より、307th Hospital of PLA・Zefei Jiang氏は次のようなコメントを述べている。”本試験はホルモン療法後に病勢進行した閉経後のホルモン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者さんに対するHDAC阻害薬であるChidamideが無増悪生存期間(PFS)を統計学有意に延長することを証明した初の第III相試験です。”

ESMO 2018: HDAC Inhibitor Therapy in Advanced Hormone Receptor–Positive Breast Cancer(The ASCO POST)

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