・再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者を対象とした第Ⅲ相試験
・キザルチニブ単剤療法群と治験医師選択の標準化学療法群を比較検証
・キザルチニブ単剤療法は全生存期間(OS)を改善し忍容性も良好
2018年12月1日より4日まで米国・サンディエゴで開催されている第60回米国血液学会(ASH)にて、治療歴のあるFLT3-ITD変異を有する再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対するFLT3阻害薬であるキザルチニブ単剤療法の有効性を比較検証した第Ⅲ相のQuANTUM-R試験(NCT02039726)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer Center・Jorge E. Cortes氏らにより公表された。
QuANTUM-R試験とは、治療歴のあるFLT3-ITD変異を有する再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者(N=367人)に対して1日1回キザルチニブ60mg単剤療法を投与する群(N=245人)、または治験医師選択の標準化学療法(SC)である低用量シタラビン(LoDAC)、ミトキサントロン+エトポシド+中用量シタラビン(MEC)、フルダラビン+シタラビン+フィルグラスチム+イダルビシン(FLAG-IDA)などを投与する群(N=122人)に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無イベント生存期間(EFS)を比較検証した国際多施設共同の第Ⅲ相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はキザルチニブ群6.2ヶ月(95%信頼区間:5.3-7.2ヶ月)に対して標準化学療法(SC)群4.7ヶ月(95%信頼区間:4.0-5.5ヶ月)、キザルチニブ群で死亡のリスクを24%統計学的有意に減少した(HR:0.76,95%信頼区間:0.58-0.98,P=0.0177)。
また、1年全生存率(OS)はキザルチニブ群27%に対して標準化学療法(SC)群20%を示した。
副次評価項目である無イベント生存期間(EFS)中央値はキザルチニブ群6.0週(95%信頼区間:0.1-8.3週)に対して標準化学療法(SC)群3.7週(95%信頼区間:0.4-5.9週)、キザルチニブ群でイベント発症(EFS)のリスクを10%減少した(HR:0.90,95%信頼区間:0.70-1.16,P=0.1071)。
一方の安全性として、キザルチニブ群で最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は感染症、血小板減少症であった。また、2人の患者で心電図上のQT延長により治療中止に至ったが、グレード4以上の重篤なQT延長の発症は確認されなかった。
以上のQuANTUM-R試験の結果より、Jorge E. Cortes氏らは以下のように結論を述べている。“治療歴のあるFLT3-ITD変異を有する再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者さんに対するキザルチニブ単剤療法は全生存期間(OS)を改善し、忍容性も良好でした。”
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