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治療歴のある局所進行性/転移性尿路上皮または非尿路上皮がんに対するテセントリク単剤療法のリアルワールドデータEuropean Urologyより

  • [公開日]2019.03.29
  • [最終更新日]2019.04.09
この記事の3つのポイント
・局所進行性/転移性尿路上皮または非尿路上皮がん患者が対象の第3b相試験
・テセントリク単剤療法有効性安全性を検証
忍容性は問題なく客観的奏効率は13%だった

2019年3月22日、医学誌『European Urology』にて治療歴のある局所進行性/転移性尿路上皮または非尿路上皮がん患者に対する抗PD-L1抗体薬であるアテゾリズマブ(商品名テセントリク;以下テセントリク)単剤療法の有効性、安全性を検証した第3b相のSAUL試験(NCT02928406)の結果がSan Camillo and Forlanini HospitalsのCora N. Sternberg氏らにより公表された。

SAUL試験は、1~3レジメン治療歴のある局所進行性/転移性尿路上皮または非尿路上皮がん患者(N=1004人)に対して3週を1サイクルとしてテセントリク1200mg単剤療法を投与し、主要評価項目として安全性、副次評価項目として全生存期間OS)、無増悪生存期間PFS)、客観的奏効率(ORR)を検証した国際多施設共同シングルアームの第3b相試験である。

本試験の患者背景は下記の通りである。年齢中央値は68歳(60-74歳)。性別は男性77%(N=772人)。ECOG Performance Statusはスコア0が43%(N=427人)、スコア1が47%(N=469人)、スコア2が10%(N=10人)。

PD-L1ステータスはIC0が24%(N=243人)、IC1が42%(N=421人)、IC2/3が26%(N=264人)、不明が7%(N=69人)。前治療歴は0レジメンが38%(N=382人)、1レジメンが54%(N=543人)、2レジメンが5%(N=52人)、3レジメンが2%(N=20人)。

組織型的分類は尿上皮がん95%(N=950人)、非尿路上皮がん5%(N=41人)、不明1%(N=6人)。診断時点のTNM分類ステージIが12%(N=123人)、ステージIIが19%(N=187人)、ステージIIIが15%(N=147人)、ステージIVが49%(N=488人)、不明1%(N=12人)。なお、試験開始時のTNM分類はステージIVが100%(N=997人)。

本試験の追跡期間中央値12.7ヶ月(95%信頼区間:11.8-13.2ヶ月)時点における主要評価項目である安全性の結果は下記の通りである。グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は45%の患者で確認された。最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は倦怠感、無力症、大腸炎、高血圧であった。

副次評価項目である全生存期間(OS)中央値は8.7ヶ月(95%信頼区間:7.8-9.9ヶ月)、6ヶ月全生存率(OS)60%(95%信頼区間:57-63%)、1年全生存率(OS)41%(95%信頼区間:38-44%)を示した。また、無増悪生存期間(PFS)中央値は2.2ヶ月(95%信頼区間:2.1-2.4ヶ月)、客観的奏効率(ORR)13%(95%信頼区間:11-16%)を示した。

以上のSAUL試験の結果よりCora N. Sternberg氏らは以下のように結論を述べている。”リアルワールドデータの結果、治療歴のある局所進行性/転移性尿路上皮または非尿路上皮がんに対するテセントリク単剤療法は忍容性は問題なく、別の第3相試験で示されてある通り有用性もありました。”

Primary Results from SAUL, a Multinational Single-arm Safety Study of Atezolizumab Therapy for Locally Advanced or Metastatic Urothelial or Nonurothelial Carcinoma of the Urinary Tract(European Urology, Available online 23 March 2019)

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