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肝転移のある化学療法未治療の転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対するテセントリク+アバスチン+化学療法、全生存期間を改善米国臨床腫瘍学会(ASCO 2019)で公表

  • [公開日]2019.06.04
  • [最終更新日]2019.06.04
この記事の3つのポイント
・肝転移のある化学療法未治療の転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者が対象の第3相試験
・テセントリク+アバスチン+化学療法の有効性安全性を比較検証
・テセントリク+アバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用群で死亡リスクを48%減少した

2019年6月2日、スイスのエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社のプレスリリースにて、肝転移のある化学療法未治療の転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対する抗PD-L1抗体薬であるアテゾリズマブ(商品名テセントリク;以下テセントリク)+抗VEGFモノクローナル抗体薬であるベバシズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)+化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のIMpower150試験における肝転移を有する患者群の結果が第55回米国臨床腫瘍学会(ASCO2019)で発表することを公表した。

IMpower150試験とは、化学療法未治療の転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者(N=1202人)に対してテセントリク+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法を投与する群(アームA)、テセントリク+アバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法を投与する群(アームB)、アバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法を投与する群(アームC)に1対1対1の割合で振り分け、主要評価項目として全生存期間OS)、無増悪生存期間PFS)、副次評価項目として安全性などを比較検証した国際多施設共同ランダム化第3相試験である。

本試験の肝転移を有する患者群における結果、主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はアームBであるテセントリク+アバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用群13.3ヶ月に対してアームCであるアバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用群9.4ヶ月、テセントリク+アバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用群で死亡(OS)のリスクを48%減少した(HR=0.52,95%信頼区間:0.33–0.82)。

また、もう1つの主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)はアームCであるアバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用群に比べてアームBであるテセントリク+アバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを59%減少した(HR=0.41,95%信頼区間:0.26–0.62)。

その他評価項目である客観的奏効率ORR)はアームBであるテセントリク+アバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用群60.8%に対してアームCであるアバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用群41.1%。奏効持続期間(DOR)中央値はアームBであるテセントリク+アバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用群10.7ヶ月に対してアームCであるアバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用群4.6ヶ月。

一方の安全性として、グレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)発症率はアームBであるテセントリク+アバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用群52.1%に対してアームCであるアバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用群54.5%を示した。なお、本治療の治療関連有害事象(TRAE)は既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された治療関連有害事象(TRAE)はなかった。

以上のIMpower150試験の結果よりエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社・Chief Medical Officer and Head of Global Product Development・Sandra Horning氏は以下のようなコメントを述べている。”肝転移のある化学療法未治療の転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対するテセントリク+アバスチン+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法は、全生存期間(OS)を改善しました。”

参照:
エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社のプレスリリース

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