8月3日、小野薬品工業株式会社は、抗PD-1モノクローナル抗体であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)と抗VEGFヒト化モノクローナル抗体であるアバスチン(一般名:ベバシズマブ、以下アバスチン)と化学療法の併用療法が、化学療法未治療の根治照射不能なIIIB/IV期または再発の非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした第3相試験の中間解析において、無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に延長したと発表した。
肺がんは、日本では年間約11.8万人が新規に罹患し、死亡者数は8.1万人と推定されており、がんによる死亡原因の第1位となっている。組織型によって小細胞肺がんと非小細胞肺がんに大別される。NSCLCは肺がんの約85%を占める最も一般的な組織型である。生存率は診断時のステージと種類によって異なるが、転移性肺がんの場合の5年生存率は約5%である。
今回の第3相(ONO-4538-52/TASUKI-52)試験は、化学療法未治療の根治照射不能なIIIB/IV期または再発の非扁平上皮NSCLC患者(N=550人)を対象に、それぞれ3週間1サイクルとしてオプジーボ360mg+アバスチン15mg/kg+カルボプラチンAUC6+パクリタキセル200mg/m2投与群とプラセボ+アバスチン15mg/kg+カルボプラチンAUC6+パクリタキセル200mg/m2投与群に1対1で割り付け比較検討した他施設共同二重盲検ランダム化試験。主要評価項目はPFS、副次評価項目は全生存期間(OS)、奏効率(ORR)などとした。
同試験の結果、主要評価項目であるPFSは統計学的有意に延長を示し、オプジーボ併用療法群の安全性プロファイルは、化学療法未治療のNSCLC治療において免疫チェックポイント阻害剤+アバスチン+化学療法併用療法でこれまでに認められるものと一貫していた。
オプジーボは2014年7月に悪性黒色腫で承認されてから、複数のがん種において治療選択肢の一つとなっている。現在は食道胃接合部がん、小細胞肺がん、肝がんなどさまざまな癌種で臨床試験も実施中である。
オプジーボについて
programmed cell death-1(PD-1)とPD-1リガンドの経路を阻害することで抗腫瘍免疫応答を再活性化する免疫チェックポイント阻害剤である。2015年12月には切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する適応も取得している。
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