8月13日、ソレイジア・ファーマ株式会社はスウェーデンのIsofol社とSP-05(一般名:arfolitixorin、以下SP-05)の日本における開発販売に関する独占的権利導入契約を締結したと発表した。
SP-05はIsofol社が開発中の薬剤であり、進行大腸がんの標準療法である抗がん剤フルオロウラシルの抗腫瘍効果を高めるための新薬候補である。既にIsofol社が第2相臨床試験を実施し、その結果、進行大腸がん(結腸直腸がん)に対するフルオロウラシルの有効性が増強する効果が示された。
ソレイジア代表取締役社長の荒井好裕氏は、「SP-05は、当社の革新的ながん治療薬のポートフォリオをさらに拡充する重要な薬剤となります。国内において年間15万人以上の患者さんが大腸がんと診断されており、SP-05にとって日本は第2位の大きな市場です。Isofol社との共同開発により、日本の進行大腸がんの患者さんに新たな治療選択肢を提供するという目標を加速させていきたいと考えています」と述べている。
また、Isofol社CEOのDr. Ulf Jungnelius氏は、「今回の提携は、arfolitixorinの開発・商業化にとって重要な一歩となります。本提携は、Isofol社にとって、当社独自の新薬候補品の開発プロセスにおける最大のマイルストンであり、日本市場における革新的ながん治療薬に豊富な経験を持つパートナーから認められた証と考えています。ソレイジアは、日本をはじめとするアジア市場でのがん治療薬の開発・商業化に実績があり、がん患者さんへの貢献度も高く、日本での開発・商業化の取り組みをサポートする理想的なパートナーであると確信しています」としている。
Isofol社は、2018年12月により第3相AGENT試験(NCT03750786)を米国、カナダ、欧州、オーストラリア、日本で行っている。今回の締結により、日本での試験はソレイジア社が実施するという。
SP-05(arfolitixorin)について
大腸がんなどの標準療法に用いられる抗がん剤「フルオロウラシル」の効果を増強することを適応とした開発中の薬剤。広範に使用される葉酸系薬剤の活性代謝物として、複雑な代謝活性化を必要としないことから進行大腸がんの患者のみでなく、膵臓がん、乳がん、胃がん、頭頚部がんなどの治療にも効果を示す可能性がある。
AGENT試験とは
進行結腸直腸がん患者440~660名に対し、5-FU(5-フルオロウラシル)+オキサリプラチン+ベバシズマブ療法にSP-05を併用、もしくはロイコボリンを併用し、有効性を比較検証する国際共同第3相臨床試験。主要評価項目は有効性と全奏効率とし、330症例の時点で中間解析を実施し、その後最終目標症例数を決定する。中間解析は2021年に発表予定である。
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