・転移性胃がん/胃食道接合部がん/食道腺がん患者が対象の第3相試験
・オプジーボ+化学療法の有効性・安全性を比較検証
・オプジーボ+化学療法の全生存期間14.4ヶ月、無増悪生存期間7.7ヶ月で統計学的有意に改善
2020年9月19日~2020年9月21日、バーチャルミーティングにて開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)にて転移性胃がん/胃食道接合部(GEJ)がん/食道腺がん患者に対するファーストラインとしての抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)+化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCheckMate-649試験(NCT02872116)の結果がJohannes-Gutenberg University ClinicのMarkus Moehler氏らにより公表された。
CheckMate-649試験とは、転移性胃がん/胃食道接合部(GEJ)がん/食道腺がん患者に対するファーストラインとしてのオプジーボ+化学療法(3週間ごとにオプジーボ360mg+XELOXもしくは2週ごとにオプジーボ240mg+FOLFOX)を投与する群、または3週ごとにオプジーボ1mg/kg+ヤーボイ3mg/kg併用療法、またはXELOX/FOLFOX療法を投与する群に無作為に振り分け、比較検証した国際多施設共同の第3相試験である。主要評価項目はPD-L1陽性群(CPS≥5)における化学療法に対するオプジーボ+化学療法の全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)である。
本試験のフォローアップ期間中央値12.0ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目であるPD-L1陽性群(CPS≥5)における全生存期間(OS)は、オプジーボ+化学療法群(N=473人)で14.4ヶ月(13.1-16.2ヶ月)、化学療法群(N=482人)で11.1ヶ月(10.0-12.1ヶ月)であり、オプジーボ+化学療法群で死亡(OS)のリスクを29%(HR:0.71、98.4%信頼区間:0.59–0.86、P< 0.0001)統計学的有意に改善した。
また、PD-L1陽性群(CPS≥5)における無増悪生存期間(PFS)は、オプジーボ+化学療法群7.7ヶ月(7.0-9.2ヶ月)、化学療法群6.1ヶ月(5.6-6.9ヶ月)であり、オプジーボ+化学療法で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを32%(HR:0.68、98.4%信頼区間:0.56–0.81、P<0.0001)統計学的有意に改善した。
一方の安全性として、全グレードの有害事象(AE)発症率はオプジーボ+化学療法群95%に対して化学療法群88%。グレード3~4の有害事象(AE)発症率はオプジーボ+化学療法群59%に対して化学療法群44%。治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率はオプジーボ+化学療法群38%に対して化学療法群25%であった。
以上のCheckMate-649試験の結果よりMarkus Moehler氏らは「転移性胃がん/胃食道接合部(GEJ)がん/食道腺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+化学療法は、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に改善し、本患者の新しい治療選択肢になり得る可能性が示唆されました」と結論を述べている。
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