・EGFR-TKI治療後に病勢進行したEGFR T790M遺伝子変異の進行性非小細胞肺がん患者が対象の第3相試験
・タグリッソ単剤療法の有効性・安全性をペメトレキセド+カルボプラチン/シスプラチン併用療法と比較検証
・OSに統計学的な有意差は認められなかったが、クロスオーバー率が高いことを反映している可能性
2020年8月27日、医学誌『Annals of Oncology』にてEGFRチロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) 治療後に病勢が進行したEGFR T790M遺伝子変異の進行性非小細胞肺がん患者に対する第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) であるタグリッソ(一般名:オシメルチニブ、以下タグリッソ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のAURA3試験(NCT02151981)の最終解析の結果がMD Anderson Cancer CenterのV.A. Papadimitrakopoulou氏らにより公表された。
AURA3試験とは、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) 治療後に病勢が進行したEGFR T790M遺伝子変異の進行性非小細胞肺がん患者に対して1日1回タグリッソ80mg単剤療法を投与する群(N=279人)、またはペメトレキセド+カルボプラチン/シスプラチン併用療法を投与する群(N=136人)に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、安全性などを比較検証した第3相試験である。
本試験の最終解析の結果、副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はタグリッソ群26.8ヵ月(95%信頼区間:23.5-31.5ヵ月)に対してペメトレキセド+カルボプラチン/シスプラチン群22.5ヵ月(95%信頼区間:20.2-28.8ヵ月)、タグリッソ群で死亡(OS)のリスクを13%減少(HR:0.87、95%信頼区間:0.67-1.12、P=0.277)するも統計学有意な差は確認されなかった。
また、24ヵ月全生存率(OS)はタグリッソ群55%に対してペメトレキセド+カルボプラチン/シスプラチン群43%、36ヵ月全生存率(OS)はタグリッソ群37%に対してペメトレキセド+カルボプラチン/シスプラチン群30%を示した。
一方、クロスオーバー調整後のHRは0.54(95%信頼区間:0.18–1.6)であり、 最初の後治療または死亡までの期間(TFST)はHR:0.21(95%信頼区間:0.16–0.28; P<0.001)と、オシメルチニブは臨床的に意義のある改善を示した。
安全性については、タグリッソ群で最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は下痢32%、皮膚障害32%。ペメトレキセド+カルボプラチン/シスプラチン群群で最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は吐き気47%を示した。
以上のAURA3試験の最終解析の結果よりV.A. Papadimitrakopoulou氏らは「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) 治療後に病勢が進行したEGFR T790M遺伝子変異の進行性非小細胞肺がん患者において、タグリッソとペメトレキセド+カルボプラチン/シスプラチン併用療法の間に統計学的な有意差は認められませんでしたが、これはペメトレキセド+カルボプラチン/シスプラチン併用療法からタグリッソへのクロスオーバー率が高いことを反映している可能性があります」と結論を述べている。
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