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2レジメン以上の治療歴のある局所進行性または転移性非小細胞肺がん患者に対するデュルバルマブ+トレメリムマブ併用療法、全生存期間(OS)も無増悪生存期間(PFS)も統計学有意に延長せず

  • [公開日]2018.04.26
  • [最終更新日]2018.04.26
この記事の3つのポイント
・複数の治療歴のある局所進行性または転移性非小細胞肺がん患者に対するデュルバルマブ+トレメリムマブ併用療法は標準的な化学療法(SoC)に比べて全生存期間OS)、無増悪生存期間PFS)を統計学的有意に改善しない
・複数の治療歴のある局所進行性または転移性非小細胞肺がん患者に対するデュルバルマブ単剤療法は標準的な化学療法(SoC)に比べて全生存期間(OS)を改善する可能性が示唆された
・本試験で確認されたデュルバルマブ+トレメリムマブ併用療法の治療関連有害事象(TRAE)は既存の安全性プロファイルと一致していた

2018年4月24日、アストラゼネカ社のプレスリリースにて少なくとも2レジメン以上の治療歴のあるPD-L1発現率の低い局所進行性または転移性非小細胞肺がん患者に対する抗PD-L1抗体薬であるデュルバルマブ(MEDI4736)+抗CTLA4抗体薬であるトレメリムマブ(MEDI1123)併用療法と標準的な化学療法(SoC)の有効性を比較検証した第III相のARCTIC試験(NCT02352948)の結果が公表された。

ARCTIC試験とは、少なくとも2レジメン以上の治療歴のある局所進行性または転移性非小細胞肺がん患者を対象に、PD-L1発現率の高い患者群に対してはデュルバルマブ単剤療法を投与する群、または標準的な化学療法(SoC)を投与する群に1:1の割合で無作為に振り分け(sub-study A)、PD-L1発現率の低い患者群に対してはデュルバルマブ単剤療法を投与する群、またはデュルバルマブ+トレメリムマブ併用療法を投与する群、またはトレメリムマブ単剤療法を投与する群、または標準的な化学療法(SoC)を投与する群に2:3:1:2の割合で無作為に振り分け(sub-study B)、主要評価項目として全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)を比較検証した国際多施設共同非盲検下の第III相試験である。

本試験(sub-study B)の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)ともに標準的な化学療法(SoC)に対してデュルバルマブ+トレメリムマブ併用療法は統計学有意な改善も臨床的意義のある改善も示すことはなかった。なお、もう一方の試験(sub-study A)結果はイベント数が未達のためデータが未成熟であるが、標準的な化学療法(SoC)に対してデュルバルマブ単剤療法で死亡のリスクを減少させる傾向が確認されている。

一方の安全性として、デュルバルマブ+トレメリムマブ併用療法の治療関連有害事象(TRAE)は既存の臨床試験で確認された安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された治療関連有害事象(TRAE)はなかった。

以上のARCTIC試験の結果より、アストラゼネカ社・グローバル医薬品開発担当・エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohen氏は以下のように述べている。”複数の治療歴のある局所進行性または転移性非小細胞肺がん患者さんに対するデュルバルマブ+トレメリムマブ併用療法の有効性を示すことをできなかったことを残念に思います。引き続き、我々は本患者さんに対するデュルバルマブ単剤療法の有効性を探索していきます。”

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