「個人情報保護方針」及び「個人情報の取扱いについて」改訂のお知らせ

未治療の進行性腎細胞がんに対するレンビマ+キイトルーダ併用療法、無増悪生存期間と全生存期間を延長The New England Journal of Medicineより

  • [公開日]2021.03.09
  • [最終更新日]2021.03.09
この記事の3つのポイント
・進行性腎細胞がん患者が対象の第3相試験
ファーストライン治療としてレンビマ+キイトルーダ併用療法、レンビマ+エベロリムス併用療法の有効性安全性をスニチニブ単剤療法と比較検証
・レンビマ+キイトルーダの無増悪生存期間は23.9ヶ月でスニチニブに対して統計学的有意に延長を示し、
 全生存期間においても死亡リスクを34%減少した

2021年2月13日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて進行性腎細胞がん患者に対するファーストライン治療としての経口チロシンキナーゼ阻害薬であるレンビマ(一般名:レンバチニブメシル酸塩、以下レンビマ)+抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCLEAR(307)/KEYNOTE-581試験(NCT02811861)の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのRobert J. Motzer氏らにより公表された。

CLEAR(307)/KEYNOTE-581試験とは、進行性腎細胞がん患者(N=1069人)に対するファーストライン治療として1日1回レンビマ20mg+3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg併用療法を投与する群(N=355人)、1日1回レンビマ18mg+1日1回エベロリムス5mg併用療法を投与する群(N=357人)、または1日1回スニチニブ50mg単剤療法を4週間投与後、2週間休薬する群(N=357人)に1対1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、安全性などを比較検証した第3相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はレンビマ+キイトルーダ併用群23.9ヶ月に対してスニチニブ単剤群9.2ヶ月、レンビマ+キイトルーダ併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを61%減少(HR:0.39、95%信頼区間:0.32-0.49、P<0.001)した。また、レンビマ+エベロリムス併用群14.7ヶ月に対してスニチニブ単剤群9.2ヶ月、レンビマ+エベロリムス併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを35%減少(HR:0.65、95%信頼区間:0.53-0.80、P<0.001)した。

副次評価項目である全生存期間(OS)は、スニチニブ単剤群に比べてレンビマ+キイトルーダ併用群で死亡(OS)のリスクを34%減少(HR:0.66、95%信頼区間:0.49-0.88、P=0.005)した。一方、スニチニブ単剤群に比べてレンビマ+エベロリムス併用群で死亡(OS)のリスクを15%増加(HR:1.15、95%信頼区間:0.88-1.50、P=0.30)した。

安全性としては、グレード3以上の有害事象(AE)発症率はレンビマ+キイトルーダ併用群82.4%、レンビマ+エベロリムス併用群83.1%、スニチニブ単剤群71.8%を示した。3群それぞれの少なくとも10%以上の患者で確認されたグレード3以上の有害事象(AE)は高血圧、下痢、リパーゼ上昇であった。

以上のCLEAR(307)/KEYNOTE-581試験の結果よりRobert J. Motzer氏らは「進行性腎細胞がん患者に対するファーストライン治療としての経口チロシンキナーゼ阻害薬レンビマ+抗PD-1抗体薬キイトルーダ併用療法は、スニチニブ単剤群に比べて無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を統計学的有意に改善しました」と結論を述べている。

Lenvatinib plus Pembrolizumab or Everolimus for Advanced Renal Cell Carcinoma(N Engl J Med. 2021 Feb 13. doi: 10.1056/NEJMoa2035716.)

×

リサーチのお願い

この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン