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ワルデンストレームマクログロブリン血症に対するイムブルビカ+リツキサン併用療法、無増悪生存期間を延長Journal of Clinical Oncologyより

  • [公開日]2021.10.14
  • [最終更新日]2021.10.12
この記事の3つのポイント
・ワルデンストレームマクログロブリン血症の患者が対象の第3相試験
・イムブルビカ+リツキサン併用療法の有効性安全性プラセボ+リツキサンと比較検証
無増悪生存期間は、イムブルビカ+リツキサン併用群は未到達、
 プラセボ+リツキサン併用群は20.3ヶ月であり統計学的有意に延長した

2021年10月4日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にてワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)患者に対するBTK阻害薬であるイムブルビカ(一般名:イブルチニブ、以下イムブルビカ)+抗CD20モノクローナル抗体であるリツキサン(一般名:リツキシマブ、以下リツキサン)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のiNNOVATE試験(NCT02165397)の最終解析の結果がUniversity Hospital of UlmのChristian Buske氏らにより公表された。

iNNOVATE試験は、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)患者(N=150人)に対する1日1回イムブルビカ420mg+リツキサン併用療法を投与する群(N=75人)、またはプラセボ+リツキサン併用療法を投与する群(N=75人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として奏効率(RR)、全生存期間OS)、安全性などを比較検証した二重盲検ランダム化プラセボ対照の第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値50ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はイムブルビカ+リツキサン併用群の未到達(95%信頼区間:未到達)に対してプラセボ+リツキサン併用群で20.3ヶ月(95%信頼区間:13.0~27.6ヶ月)と、イムブルビカ+リツキサン併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを75%(HR:0.25、P<0.0001)減少した。なお、無増悪生存期間(PFS)の改善効果は前治療歴、MYD88、CXCR4の陽性ステータスに関係なく示した。

副次評価項目である部分奏効(PR)以上の奏効率(RR)はイムブルビカ+リツキサン併用群の76%に対してプラセボ+リツキサン併用群で31%(P<0.0001)を示した。ヘモグロビン値改善効果はイムブルビカ+リツキサン併用群の77%に対してプラセボ+リツキサン併用群で43%(P<0.0001)を示した。全生存期間(OS)中央値は両群ともに未到達だった。

一方、安全性に関しては、管理可能な安全性プロファイルを維持し、グレード3以上の有害事象の有病率は時間の経過とともに概ね減少した。

以上のiNNOVATE試験の最終解析の結果よりChristian Buske氏らは「ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)患者に対するBTK阻害薬イムブルビカ+リツキサン併用療法は、患者背景に関係なく無増悪生存期間(PFS)を改善しました」と結論を述べている。

Ibrutinib Plus Rituximab Versus Placebo Plus Rituximab for Waldenström’s Macroglobulinemia: Final Analysis From the Randomized Phase III iNNOVATE Study(J Clin Oncol. 2021 Oct 4;JCO2100838. doi: 10.1200/JCO.21.00838.)

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