・再発/難治性びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫患者が対象の第2相試験
・ウムブラリシブ±ウブリツキシマブ±ベンダムスチン併用療法の有効性・安全性を比較検証
・トリプレット療法の客観的奏効率は43.1%、完全奏効率16.9%を示す
2021年12月11日~13日に開催された第63回米国血液学会(ASH2021)にて、再発/難治性びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)患者に対するウムブラリシブ±ウブリツキシマブ±ベンダムスチン単剤、併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験の結果がRocky Mountain Cancer CentersのJohn M. Burke氏らにより公表された。
本試験は、再発/難治性びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)患者(N=226人)に対して28日を1サイクルとして1日1回ウムブラリシブ800mg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで実施する群(N=30人)、28日を1サイクルとして1日1回ウムブラリシブ800mg+1、8、15日目(2サイクル目以降は1日目)にウブリツキシマブ併用療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで実施する群(N=66人)、または28日を1サイクルとして1日1回ウムブラリシブ800mg+1、8、15日目(2サイクル目以降は1日目)にウブリツキシマブ+1、2日目にベンダムスチン90mg/m2併用療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで実施する群(N=130人)に振り分け、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、安全性等を検証した第2相試験である。
本試験に登録された226人の患者の年齢中央値は72歳(32~95歳)、性別は男性が59%。進行病期はステージIIIもしくはIVが64%。前治療歴中央値は2レジメン(1~8レジメン)。3群間で患者背景に大きな偏りはなかった。以上の背景を有する本試験の結果は下記の通りである。
フォローアップ期間中央値はウムブラリシブ単剤群で51ヵ月(47~61ヶ月)、ウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群で46ヵ月(41~57ヶ月)、ウムブラリシブ+ウブリツキシマブ+ベンダムスチン併用群で40ヵ月(35~57ヶ月)であり、同時点における本試験の結果は下記の通りである。客観的奏効率(ORR)はウムブラリシブ単剤群で13.3%、ウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群で31.8%、ウムブラリシブ+ウブリツキシマブ+ベンダムスチン併用群で43.1%をそれぞれ示した。
完全奏効率(CR)はウムブラリシブ単剤群で3.3%、ウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群で10.6%、ウムブラリシブ+ウブリツキシマブ+ベンダムスチン併用群で16.9%をそれぞれ示した。
奏効持続期間(DOR)中央値はウムブラリシブ単剤群3ヵ月(95%信頼区間:3ヵ月~未到達)、ウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群29ヵ月(95%信頼区間:7ヵ月~未到達)、ウムブラリシブ+ウブリツキシマブ+ベンダムスチン併用群8ヵ月(95%信頼区間:5~30ヵ月)をそれぞれ示した。
一方の安全性として、最も多くの患者で確認された全グレードの有害事象(AE)は下記の通りである。下痢はウムブラリシブ単剤群で47%、ウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群で41%、ウムブラリシブ+ウブリツキシマブ+ベンダムスチン併用群で48%、嘔気は40%、45%、45%、疲労は33%、30%、41%、好中球減少症は3.3%、18%、32%をそれぞれ示した。10%以上の患者で確認されたグレード3~4の有害事象(AE)は好中球減少症がウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用群で11%、ウムブラリシブ+ウブリツキシマブ+ベンダムスチン併用で群27%、貧血がウムブラリシブ+ウブリツキシマブ+ベンダムスチン併用群で17%であった。
以上の第2相試験の結果よりJohn M. Burke氏らは「再発/難治性びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)患者に対するウムブラリシブ+ウブリツキシマブ+ベンダムスチン併用療法の抗腫瘍効果は良好であり、忍容性も問題ありませんでした。ウムブラリシブ単剤療法、ウムブラリシブ+ウブリツキシマブ併用療法は忍容性は良好でしたが、客観的奏効率(ORR)はトリプレット療法に比べて低率でした」と結論を述べている。
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