・プラチナ感受性のある再発卵巣がん患者が対象の第3相試験
・維持療法としてFuzuloparib単剤療法の有効性・安全性をプラセボと比較検証
・無増悪生存期間を統計学的有意に延長し、病勢進行リスクを75%減少した
4月11日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて少なくとも2レジメン以上の治療歴のあるプラチナ系抗がん剤に感受性のある再発卵巣がん患者に対する維持療法としてのPARP阻害薬であるFuzuloparib(フズロパリブ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のFZOCUS-2試験(NCT03863860)の結果がNational Cancer CenterのNing Li氏らにより公表された。
FZOCUS-2試験は、少なくとも2レジメン以上の治療歴のあるプラチナ系抗がん剤に感受性のある再発卵巣がん患者(N=252人)に対する維持療法として1日2回Fuzuloparib 150mg単剤を投与する群(N=167人)、もしくはプラセボを投与する群(N=85人)に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全患者群における盲検下独立審査委員会(BIRC)評価の無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目としてBRCA1/2遺伝子変異群における盲検下独立審査委員会(BIRC)評価の無増悪生存期間(PFS)を比較検証した多施設共同ランダム化二重盲検下プラセボ対照の第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である全患者群における盲検下独立審査委員会(BIRC)評価の無増悪生存期間(PFS)中央値は、プラセボ療法に比べてFuzuloparib単剤療法で統計学有意に改善を示した(HR:0.25、95%信頼区間:0.17-0.36、P<0.0001)。
また、サブグループ解析の結果、BRCA1/2遺伝子変異群における盲検下独立審査委員会(BIRC)評価の無増悪生存期間(PFS)は、プラセボ療法に比べてFuzuloparib単剤療法で改善を示した(HR:0.14、95%信頼区間:0.07-0.28)。なお、BRCA1/2遺伝子野生群においても盲検下独立審査委員会(BIRC)評価の無増悪生存期間(PFS)は、プラセボ療法に比べてFuzuloparib単剤療法で改善を示した(HR:0.46、95%信頼区間:0.29-0.74)。
一方の安全性として、Fuzuloparib単剤で最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は、貧血が25.1%、血小板数減少が16.8%、好中球数減少が12.6%であった。なお、1人(0.6%)の患者がFuzuloparib関連の有害事象により治療中止に至っている。
以上のFZOCUS-2試験の結果よりNing Li氏らは「少なくとも2レジメン以上の治療歴のあるプラチナ系抗癌剤感受性のある再発卵巣がん患者に対する維持療法としてのPARP阻害薬Fuzuloparib単剤療法は、BRCA遺伝子変異ステータスに関係なく無増悪生存期間(PFS)を改善しました。また、安全性プロファイルも管理可能な内容でした」と結論を述べている。
この記事に利益相反はありません。