・ステージIII結腸がん患者が対象の第3相試験
・アジュバント療法としてmFOLFOX6療法/CAPOX療法を3ヶ月または6ヶ月投与した際の有効性・安全性を比較検証
・全生存期間は3ヶ月間投与群の87.0%に対して6ヶ月間投与群で86.4%と、両群間での差は認められず、
末梢神経障害(PN)発症率も有効性と同様の結果だった
5月5日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にてステージIII結腸がん患者に対するオキサリプラチン、フッ化ピリミジン系製剤系ベースのアジュバント療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のACHIEVE試験の最終解析結果が国立がん研究センター東病院の吉野孝之氏らにより公表された。
ACHIEVE試験は、ステージIII結腸がん患者(N=1291人)に対するアジュバント療法としてmFOLFOX6療法またはCAPOX療法を3ヶ月間実施する群(N=650人)、mFOLFOX6療法またはCAPOX療法を6ヶ月間実施する群(N=641人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無病生存期間(DFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)を比較検証した第3相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値74.7ヶ月時点における結果は下記の通りである。副次評価項目である5年全生存率(OS)はmFOLFOX6療法またはCAPOX療法3ヶ月間投与群の87.0%に対してmFOLFOX6療法またはCAPOX療法6ヶ月間投与群で86.4%を示した(HR:0.91、95%信頼区間:0.69-1.20、P=0.51)。また、サブグループ解析の結果、患者背景、治療期間による全生存期間(OS)の差は確認されなかった。
一方の安全性として、5年以上続いた末梢神経障害(PN)は3ヶ月間投与群の8%に対して6ヶ月間投与群で16%、mFOLFOX6療法群の14%に対してCAPOX療法群で11%を示した。
以上のACHIEVE試験の結果より吉野孝之氏らは「ステージIII結腸がん患者に対するオキサリプラチン、フッ化ピリミジン系製剤系ベースのアジュバント療法は、投与期間3ヶ月間、6ヶ月間により有効性に差は確認されませんでした。また、末梢神経障害(PN)発症率も有効性と同様の結果でした。以上の結果より、本疾患の治療としてはCAPOX療法3ヶ月間の治療が適切です」と結論を述べている。
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