・未治療のRAS遺伝子野生型切除不能転移性大腸がん日本人患者が対象の第3相試験
・ベクティビックス+mFOLFOX6併用療法の有効性・安全性をベバシズマブ+mFOLFOX6と比較検証
・原発巣占居部位が左側の患者群における全生存期間ベクティビックス+mFOLFOX6併用群37.9ヶ月であり、
ベバシズマブ+mFOLFOX6併用群(34.3ヶ月)に対して改善を示した
6月5日、アムジェン社のプレスリリースにて未治療のRAS遺伝子野生型切除不能転移性大腸がん日本人患者に対する抗EGFR抗体薬であるペクティビックス(一般名:パニツムマブ、以下ベクティビックス)+mFOLFOX6併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のPARADIGM試験の結果が公表された。
PARADIGM試験は、未治療のRAS遺伝子野生型切除不能転移性大腸がん日本人患者(N=823人)に対してベクティビックス+mFOLFOX6併用療法を実施する群、もしくはベバシズマブ+mFOLFOX6併用療法を実施する群に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、奏効割合(RR)、奏効期間(DOR)、治癒切除割合、安全性等を比較検証した多施設共同の第3相試験である。
本試験の結果、原発巣占居部位が左側(下行結腸、S状結腸、直腸)である患者群における全生存期間(OS)中央値は、ベクティビックス+mFOLFOX6併用群の37.9ヶ月に対してベバシズマブ+mFOLFOX6併用群で34.3ヶ月、ベクティビックス+mFOLFOX6併用群で死亡(OS)のリスクを18%減少(HR=0.82、95.798%信頼区間:0.68-0.99、 P=0.031)した。
また、全患者群における全生存期間(OS)中央値は、ベクティビックス+mFOLFOX6併用群の36.2ヶ月に対してベバシズマブ+mFOLFOX6併用群で31.3ヶ月と、ベクティビックス+mFOLFOX6併用群で死亡(OS)のリスクを16%減少(HR=0.84、95%信頼区間:0.72-0.98、P=0.030)した。
以上のPARADIGM試験の結果より、アムジェン社のDavid M. Reese氏は「未治療のRAS遺伝子野生型切除不能転移性大腸がん日本人患者に対するファーストライン治療として、ベバシズマブに対するベクティビックスの優越性が示され、本疾患の標準治療になり得る可能性が示唆されました」と結論を述べている。
なお、同試験の結果は、米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会の6月5日のPlenary Sessionでも発表された。
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