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診療ガイドラインとは?患者が読んでもいいもの?

  • [公開日]2019.08.28
  • [最終更新日]2019.10.11

監修:日本医科大学 勝俣範之 先生

疾患ごとに診断や治療の標準的な指針をまとめたもので、がん治療に関わるすべての人が読むべきものです

診療ガイドラインは、医療現場で適切な診断や治療を行うために、病気の予防や診断、治療、予後の予測などの診療の根拠や手順を医学的根拠に基づいて最新の情報をまとめた文書のことです。医療は多くの場合で、EBM(Evidence-based Medicine)という考え方にもとづき治療を決定します。EBMとは、「科学的な根拠(エビデンス)に基づく医療」という意味で、これまでに実際に有効性安全性を実際に確かめた研究結果をいいます。エビデンスは、信頼度によっていくつかのレベルにわかれていて、信頼度が最も高いのは、多くの人によって有効性や安全性が確かめられた複数のランダム化試験(新治療とこれまでの標準治療とをランダムに振り分け、生存率などを比較研究した臨床研究)を解析した結果で、逆に最も信頼度が低いのは、個人の体験談(症例報告)や、専門家個人の意見などになります。

診療ガイドラインは信頼度の高いエビデンスを最新のものまで集め、そのデータを複数の専門家の手によって選び、それを推奨度(グレード)と共に記されています。具体的には、個別の治療法や検査法について、「実施することを推奨する」、「実施しないことを推奨する」などと記載されています。診療ガイドラインがあることで、日本全国にある病院の医療の質を保つことができ、また治療の透明化も期待できます。

診療ガイドラインはそれぞれの疾患や治療法ごとにある場合が多く、その中身は「クリニカルクエスチョン」とこれに対する回答として提示された「推奨」が基本の構造になっています。例えば「ステージ2の子宮がん患者に対し、手術単独療法と、手術+放射線療法のどちらが最適な治療法かどうか」というクリニカルクエスチョンに対し、「手術+放射線療法を行うこと/行わないことを、強く/弱く推奨する」というような推奨が提示されます。ひとつの診療ガイドラインには、この基本の構造が複数集められ、対象とする疾患の現状などとともに編集されています。推奨度もA:強く推奨するからDの推奨しないまで、など分かりやすく分類されています。

エビデンスレベル

※推奨グレード
https://www.haigan.gr.jp/guideline/2017/jo/17002016gr00.html

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