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トリプルネガティブ早期乳がん患者に対する術前のイミフィンジ+標準化学療法、病理学的完全奏効率53.4%を示すAnnals of Oncologyより

  • [公開日]2019.05.28
  • [最終更新日]2019.05.27
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トリプルネガティブ早期乳がん患者が対象の第2相試験
術前化学療法としてのイミフィンジ+ナブパクリタキセル併用、イミフィンジ+EC併用の有効性安全性を検証
病理学的完全奏効率を向上し、特にPD-L1ステータス陽性の患者で改善した

2019年5月16日、医学誌『Annals of Oncology』にてトリプルネガティブ早期乳がん患者に対する術前化学療法としての抗PD-L1抗体薬であるデュルバルマブ(商品名イミフィンジ;イミフィンジ)+ナブパクリタキセル併用療法とその後のイミフィンジ+EC併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相のGeparNuevo試験(NCT02685059)の結果がCancer Center Frankfurt NortheastのS Loibl氏らにより公表された。

GeparNuevo試験とは、トリプルネガティブ早期乳がん患者(N=174人)に対する術前化学療法として1週を1サイクルとしてイミフィンジ+ナブパクリタキセル併用療法を12サイクル投与後、2週を1サイクルとしてイミフィンジ+エピルビシン+シクロホスファミド併用療法を4サイクル投与する群、または術前化学療法として1週を1サイクルとしてプラセボ+ナブパクリタキセル併用療法を12サイクル投与後、2週を1サイクルとしてプラセボ+エピルビシン+シクロホスファミド併用療法を4サイクル投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として病理学的完全奏効率(pCR)を比較検証した二重盲検下ランダム化第2相試験である。

本試験が実施された背景として、トリプルネガティブ乳がん患者に対する免疫チェックポイント阻害薬の有効性が他の臨床試験で確認されている。以上の背景より、トリプルネガティブ乳がん患者に対する術前化学療法としての抗PD-L1抗体薬イミフィンジ+標準化学療法の有効性、安全性が本試験で確認された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値49.5歳(23-76歳)、40歳よりも若い患者は27%(N=47人)。ステージ分類はステージIIA以上が65%(N=113人)。PD-L1ステータスは陽性87%(N=138人)。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

主要評価項目である病理学的完全奏効率(pCR)はイミフィンジ群53.4%(95%信頼区間:42.5%-61.4%)に対してプラセボ群44.2%(95%信頼区間:33.5%-55.3%)、 イミフィンジ群で病理学的完全奏効率(pCR)のオッズ比1.45(95%信頼区間:0.80-2.63,P=0.224)を示した。一方の安全性として、最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は甲状腺機能障害であった。

以上のGeparNuevo試験の結果よりS Loibl氏らは以下のように結論を述べている。”トリプルネガティブ早期乳がん患者に対する術前化学療法としての抗PD-L1抗体薬イミフィンジ+標準化学療法は、病理学的完全奏効率(pCR)を向上させました。特に、PD-L1ステータス陽性の患者において改善しました。”

A randomised phase II study investigating durvalumab in addition to an anthracycline taxane-based neoadjuvant therapy in early triple negative breast cancer – clinical results and biomarker analysis of GeparNuevo study(Ann Oncol. 2019 May 16. pii: mdz158. doi: 10.1093/annonc/mdz158.)

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