・進展型小細胞肺がん患者が対象の第1/2相試験
・ファーストライン治療としての化学療法前のトリラシクリブ投与の有効性・安全性を検証
・骨髄抑制に関する効果がプラセボ療法に比べてトリラシクリブ群で改善
2019年8月27日、医学誌『Annals of Oncology』にて進展型小細胞肺がん(SCLC)患者に対するファーストライン治療としての化学療法(エトポシド+カルボプラチン)前のサイクリン依存性キナーゼ(CDK4/6)阻害薬トリラシクリブ投与の有効性、安全性を比較検証した第1/2相試験(NCT03041311)の結果がLineberger Comprehensive Cancer CenterのJ M Weiss氏らにより公表された。
本試験は、進展型小細胞肺がん(SCLC)患者(N=122人)に対するファーストライン治療としての化学療法投与前にトリラシクリブ単剤療法を投与する群、またはプラセボ療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として骨髄抑制率を比較検証した第1/2相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である好中球数、赤血球数、リンパ球数をはじめ骨髄抑制に関する効果がプラセボ療法に比べてトリラシクリブ群で改善が確認された。また、グレード3以上の有害事象(AE)発症率はトリラシクリブ群50%に対してプラセボ群83.8%を示した。
その他評価項目である客観的奏効率(ORR)はトリラシクリブ群50%に対してプラセボ群83.8%(p= 0.3831)。無増悪生存期間(PFS)中央値はトリラシクリブ群6.2ヶ月に対してプラセボ群5.0ヶ月(HR 0.71; p = 0.1695)。全生存期間(OS)中央値はトリラシクリブ群10.9ヶ月に対してプラセボ群10.6ヶ月(HR 0.87; 0.6107)を示した。
以上の第1/2相試験の結果よりJ M Weiss氏らは以下のように結論を述べている。”進展型小細胞肺がん(SCLC)患者に対するファーストライン治療としての化学療法前のサイクリン依存性キナーゼ(CDK4/6)阻害薬トリラシクリブの投与は、骨髄保存をはじめ化学療法後の忍容性を改善しました。”
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