・EGFR遺伝子変異陽性の進行性非小細胞肺がん患者が対象の第1/2相試験
・タグリッソ+ゲフィチニブ併用療法の忍容性と安全性を検証
・最大耐用量はタグリッソ80mg+ゲフィチニブ250mg、フィジビリティ率は81.5%
2020年5月29日~31日、バーチャルミーティングで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2020)にてEGFR遺伝子変異陽性の進行性非小細胞肺がん患者に対するEGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるオシメルチニブ(商品名タグリッソ;以下タグリッソ)+ゲフィチニブ併用療法の有効性、安全性を比較検証した1/2相試験(NCT03122717)の結果がDana-Farber Cancer InstituteのJulia K Rotow氏らにより公表された。
本試験は、EGFR遺伝子変異陽性の進行性非小細胞肺がん患者に対して、タグリッソ40~80mgとゲフィチニブ250mgの併用療法を1日1回投与し、主要評価項目として最大耐用量(MTD)、フィジビリティ率(4週を2サイクルとして6サイクル以上の治療期間)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)などを検証した第1/2相試験である。
EGFR遺伝子変異陽性の進行性非小細胞肺がんに対する一次治療はEGFRチロシンキナーゼ阻害薬である。これら標準治療の内、タグリッソはゲフィチニブに対して抵抗性を獲得したEGFR T790M遺伝子変異に対して有効である。一方でゲフィチニブはタグリッソに対して抵抗性を獲得したEGFR C797S遺伝子変異に対して有効である。基礎試験の結果、異なるEGFRチロシンキナーゼ阻害薬を併用することで耐性を獲得するまでの期間を延長できる可能性が示唆され、本試験が開始された。
本試験に登録された27人の患者における結果は下記の通りである。主要評価項目である最大耐用量(MTD)は1日1回タグリッソ80mg+1日1回ゲフィチニブ250mgであった。また、フィジビリティは81.5%を示し、治療期間未達成の原因は病勢進行1人、有害事象(AE)4人であった。
副次評価項目である全奏効率(ORR)は85.2%を示し、奏効の内訳は部分奏効率(PR)85.2%、病勢安定(SD)14.8%を示した。また、安全性として、最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は皮膚障害96.3%、下痢85.2%、皮膚乾燥70.4%であった。
以上の第1/2相試験の結果よりJulia K Rotow氏らは「EGFR遺伝子変異陽性の進行性非小細胞肺がん患者に対するEGFRチロシンキナーゼ阻害薬タグリッソ+ゲフィチニブ併用療法は、忍容性に問題はなく、良好なフィジビリティ率を示しました」と結論を述べている。
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