・自家造血幹細胞移植適応のない再発または難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者が対象の第2相試験
・タファシタマブ+レブラミド併用療法の有効性・安全性を検証
・併用療法の客観的奏効率43% 、18%が完全奏効率を達成
2020年6月5日、医学誌『The Lancet Oncology』にて自家造血幹細胞移植適応のない再発または難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に対する抗CD19モノクローナル抗体であるタファシタマブ+レナリドミド(商品名レブラミド;以下レブラミド)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のL-MIND試験(NCT02399085)の結果がHôpital Lyon-Sud, 69495 Pierre-Bénite CedexのGilles Salles氏らにより公表された。
L-MIND試験とは、1~3回の全身療法を行った再発または難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫で自家造血幹細胞移植適応のない患者(N=81人)に対して28日を1サイクルとしてタファシタマブ12mg/kg+レブラミド25mg併用療法を最大12サイクル投与後、タファシタマブ12mg/kg単剤療法を予期せぬ有害事象(AE)発現または病勢進行するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)などを検証した第2相試験である。
自家造血幹細胞移植適応のない再発または難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者の予後は非常に不良であり、治療選択肢も限られている。抗CD19モノクローナル抗体であるタファシタマブが前臨床試験にて本患者に対して期待のできる抗腫瘍効果を示したためL-MIND試験が開始された。
本試験のフォローアップ期間中央値13.2ヵ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は43%(N=34人,95%信頼区間:32%-54%)を示し、完全奏効率(CR)を達成した患者は18%(N=14人,95%信頼区間:10%-28%)を示した。
一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は好中球減少症48%(N=39人)、血小板減少症17%(N=14人)。最も多くの患者で確認された重篤な有害事象(SAE)は肺炎6%、発熱性好中球減少症6%、肺塞栓症4%、気管支炎2%、心房細動2%、うっ血心不全2%であった。
以上のL-MIND試験の結果よりGilles Salles氏らは「自家造血幹細胞移植適応のない再発または難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に対する抗CD19モノクローナル抗体タファシタマブ+レブラミド併用療法は、客観的奏効率(ORR)43%を示し、本患者に対する新しい治療選択肢になり得る可能性が示唆されました」と結論を述べている。
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