米ブリストル マイヤーズ スクイブ社は11月8日、切除可能なステージIbからIIIaの非小細胞肺がん(NSCLC)に対する術前補助療法としてのオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)+化学療法の有効性と安全性を評価した第3相CheckMate-816試験の結果を発表した。
非小細胞肺がんと診断された患者の約60%は、非転移性のものである。そのため非転移性非小細胞肺がんの多くは手術で完治するが、30~55%の患者で再発する。長期的なアウトカムの改善のため、術前補助療法や術後補助療法は治療選択肢として必要とされている。
CheckMate-816試験は、PD-L1の発現率にかかわらず、切除可能な非小細胞肺がん患者(N=358人)に対して、術前補助療法として3週間ごとにオプジーボ360mg+プラチナ製剤を含む化学療法2剤併用療法を行う群と3週間ごとにプラチナ製剤を含む化学療法2剤併用療法を行う群に無作為に割り付け、その後手術が施行された。なお、主要評価項目は、病理学的完全奏効(pCR)、無イベント生存期間(EFS)、副次評価項目は、全生存期間(OS)、Major Pathological Response(MPR)、死亡または遠隔転移までの期間とした。
予め計画された中間解析で、オプジーボ+化学療法の併用療法は、化学療法単独と比較して、手術前に投与された場合、統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるEFSの改善を認めた。一方、安全性として、オプジーボ+化学療法の併用療法は、非小細胞肺がんを対象とした試験でこれまでに報告されているものと一貫していた。なお、この併用療法は以前、同試験のもう1つの主要評価項目である病理学的完全奏効(pCR)で有意な改善を示していた。
仏サクレー大学、呼吸器内科教授兼仏Thorax Institute Curie Montsourisの部門長であるNicolas Girard氏は「切除可能な非小細胞肺がんの手術は治癒することを目的にしていますが、患者の30%から55%が手術後に再発を経験し、最終的にはこの疾患で亡くなられるため、このサイクルを阻止し得る別の治療選択肢が強く求められています。オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法で認められた無イベント生存期間に対する肯定的な結果は画期的なものであり、切除可能な非小細胞肺がんに対する治療方法に重要な意味を含んでいます」と述べている。
オプジーボ(ニボルマブ)とは
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用する同剤は現在、複数のがん腫で重要な治療選択肢となっている。
参照元:
小野薬品工業株式会社 プレスリリース
肺がんの治験・臨床試験広告
【治験広告】非小細胞肺がん1A期の方を対象とした、PDT治験のご案内
2022.05.16
- 肺がん
- 臨床試験(治験)一覧
- 臨床試験(治験)広告一覧
【治験広告】分子標的薬が効きにくい EGFR陽性の非小細胞肺がんの方対象…
2022.04.01
- 肺がん
- 臨床試験(治験)一覧
- 臨床試験(治験)広告一覧
【治験広告】第1・2世代EGFR阻害薬の治療後に増悪した、T790M変異陰性の肺…
2020.10.01
- 肺がん
- 臨床試験(治験)一覧
- 臨床試験(治験)広告一覧
リサーチのお願い
この記事に利益相反はありません。