・局所進行性筋層浸潤尿路上皮がん患者が対象の第2相試験
・術前化学療法としてゲムシタビン+シスプラチン+ニンテダニブの有効性・安全性を比較検証
・完全寛解率は37%であり、化学療法+プラセボの32%に対して改善を示せず
4月12日、医学誌『The Lancet Oncology』にて局所進行性筋層浸潤尿路上皮がん(MIUC)患者に対する術前化学療法への血管新生阻害薬ニンテダニブの追加療法の有効性、安全性を比較検証した第2相のNEOBLADE試験の結果がUniversity of SheffieldのSyed A Hussain氏らにより公表された。
NEOBLADE試験は、局所進行性筋層浸潤尿路上皮がん(MIUC)患者(N=120人)に対する術前化学療法として3週を1サイクルとして1、8日目にゲムシタビン1000mg/m2+1日目にシスプラチン70mg/m2+1日2回ニンテダニブ150〜200mg併用療法を12週間実施する群(N=57人)、もしくは3週を1サイクルとして1、8日目にゲムシタビン1000mg/m2+1日目にシスプラチン70mg/m2+プラセボ併用療法を実施する群(N=63人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として病理学的完全寛解率(CR)を検証した二重盲検ランダム化プラセボ対照の第2相試験である。
本試験が開始された背景として、筋層浸潤尿路上皮がんは根本的治療、術前化学療法後の再発は一般的である。そこで、術前化学療法への血管新生阻害薬ニンテダニブを追加することで抗腫瘍効果、全生存期間(OS)改善効果が示されるかどうかを検証する目的で本試験が開始された。
本試験のフォローアップ期間中央値33.5ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である病理学的完全寛解率(CR)は、ニンテダニブ群の37%(N=21人)に対してプラセボ群で32%(N=20人)を示した(Odds ratio:1.25、70%信頼区間:0.84-1.87、P=0.28)。
一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)発症率は、ニンテダニブ群の93%(N=53人)に対してプラセボ群で79%(N=50人)を示した(Odds ratio:1.65、95%信頼区間:0.74-3.65、P=0.24)。最も多くの患者で確認されたグレード3以上の有害事象(AE)は、血栓塞栓性イベントと好中球減少症であり、血栓塞栓性イベント発症率はニンテダニブ群の30%(N=17人)に対してプラセボ群で21%(N=13人)、好中球減少症発症率はニンテダニブ群の39%(N=22人)に対してプラセボ群で11%(N=7人)であった。
以上のNEOBLADE試験の結果よりSyed A Hussain氏らは「局所進行性筋層浸潤尿路上皮がん(MIUC)患者に対する術前化学療法への血管新生阻害薬ニンテダニブの追加療法は、安全性は良好であるものの、プラセボ療法に比べて病理学的完全寛解率(CR)を改善しませんでした」と結論を述べている。
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