・PD-L1高発現の局所進行性/転移性非小細胞肺がん患者が対象の第3相試験
・一次治療としてのテセントリク+tiragolumab(チラゴルマブ)の有効性・安全性をテセントリク単剤療法と比較検証
・テセントリク+tiragolumab併用療法の無増悪生存期間は、テセントリク単剤療法に比べて達成基準を満たさなかった
5月11日、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社はPD-L1高発現の局所進行性/転移性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬であるテセントリク(一般名:アテゾリズマブ、以下テセントリク)+抗TIGIT抗体薬であるtiragolumab(チラゴルマブ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のSKYSCRAPER-01試験の結果が公表された。
SKYSCRAPER-01試験は、PD-L1高発現の局所進行性/転移性非小細胞肺がん患者(N=534人)に対するファーストライン治療としてテセントリク+tiragolumab併用療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)発現するまで実施する群、もしくはテセントリク+プラセボ療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)発現するまで実施する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)を比較検証した二重盲検ランダム化の第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である無悪生存期間(PFS)はテセントリク+プラセボ療法に比べてテセントリク+tiragolumab併用療法で主要評価項目達成基準を達成できなかった。また、もう1つの主要評価項目である全生存期間(OS)はイベント数未達のためデータが未成熟であり、次回解析時点で検証される。一方の安全性として、テセントリクへのtiragolumab上乗せにより、既存の臨床試験で確認されていない有害事象(AE)の発現はなく、忍容性で問題なかった。
以上のSKYSCRAPER-01試験の結果より、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社Chief Medical Officer and Head of Global Product DevelopmentのLevi Garraway氏は「初回解析の結果では、我々が期待する臨床結果ではありませんでした。全生存期間(OS)イベント数が基準に達する次回解析時点での結果を楽しみにしております」と述べている。
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